【既報関連】大統領選の結果を不満とするトラック運転手のストが18日、各地で再発生した。18~20日付現地サイトが報じている。
大統領選直後10月30日夜からの1千カ所を超える幹線道路封鎖や通行妨害は、連邦道路警察や軍警などの努力で、9日には収束した。だが、アレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事が幹線道封鎖や軍関連施設の前での抗議行動を扇動・支援した個人10人と企業33社の口座や資産凍結を命じた事で、18日にマット・グロッソ州、ペルナンブコ州、ロンドニア州で幹線道の完全、部分封鎖が再発生した。
ペルナンブコ州のストは即日解消したが、マット・グロッソ州では3カ所で封鎖が継続。19日はマット・グロッソ州、パラー州、ロンドニア州27カ所で封鎖が起き、マット・グロッソ・ド・スル州では車両が焼かれた。マット・グロッソ州では20日も32カ所が完全、部分封鎖されていた。
ブラジリアの陸軍本部前での反民主主義的デモに参加したトラック所有者の3分の1強はボルソナロ氏への献金者だった。
陸軍本部前に参集したトラック234台は連邦直轄区(DF)と10州から来ており、内87台の所有者は大統領に計130万レアルを献金していた。DF市警や選挙高裁によると、87台の所有者の大半は資産凍結の対象者や企業だという。
15台はマット・グロッソ州ソリゾのベディン一家のもので、セルジオ&ルシアノ氏が大統領に16万レアルを献金。同地域最大の農業生産者アルジノ氏は20年9月、同地を訪れた大統領一行の前で大統領への忠誠を誓っており、同氏を含む4人が資産凍結の対象となっている。
ヴィトル・セザル・プリオリ氏は資産凍結対象ではないが、ゴイアス州内陸部が地元で資本金4100万レアルの企業の所有者で、幹線道封鎖や軍関連施設前でのデモの主要支援者の一人だ。選挙献金は30万レアルでデモには6台を派遣。労働裁判所は従業員へのスト参加強要停止を命じており、選挙ハラスメントでも10万レアルの罰金を受けた。
資産凍結対象者のアチリオ・ロヴァリス氏は50万レアルを献金し、6台を派遣。資産凍結者リスト1位のマット・グロッソ州アグリテックス社の社主ジェルソン・ルイス・ガルブイオ氏は14台を派遣している。
資産凍結対象者の16人は大統領に100万レアル余りを献金したとされ、介入要請に応じない軍を批判する支持者も出ているという。