サンパウロ州交通機関でマスク着用再義務化=入院者数の急増で

サンパウロ州でも公共交通機関でのマスク着用を義務化と報じる24日付G1サイトの記事の一部
サンパウロ州でも公共交通機関でのマスク着用を義務化と報じる24日付G1サイトの記事の一部

 【既報関連】国家衛生監督庁による25日以降の空港や機内でのマスク着用義務化に続き、サンパウロ州が26日以降の公共交通機関でのマスク着用を再義務化し、25日付官報に掲載したと24日、25日付現地紙、サイトが報じた。
 サンパウロ州の公共交通機関マスク着用再義務化は感染拡大が顕著になったためだ。特に懸念されるのは入院者増で、集中治療室(UTI)の患者は2週間で97・5%、一般病床では156%増加。1日の平均入院者数は400人を超えている。
 入院者増加率はUTIが1日5%、一般病床は同7%で、UTIの病床使用率は州全体が44%、サンパウロ大都市圏では59%だ。UTIの入院者増は海岸部や内陸部でも起きており、感染した医療従事者の休職例も増加。医療システムは圧迫され始めている。
 州保健局によると、入院者増は抗体減少や合併症などが起きやすい高齢者や基礎疾患を持つ人に多く、今後は死者が増える可能性があるという。
 9月11日からの週以降のサンパウロ州の死者は、10月30日~11月5日の99人以外は常に100人超で、20~24日も既に161人を記録。6~19日の185人を超える可能性が大だ。
 保健省コロナサイトで国全体を見ると、9月7日以降、7日間平均でみた1日当たりの死者数は100人以下が続いている。だが、23、24日は1日当たり73人と72人で19日の38人の倍となっているよう。感染者数や入院者数の変化に遅れて死者数も増加する可能性があるので要注意だ。
 全国で見た感染者増最高はリオ州で、先週が3万2521人、今週も5日間で1万8793人に達している。また、全国の感染者の7日間平均は23日に2万人を超えた。7日間平均が2万人を超えたのは8月15日以来だ。観察中の患者は22・8万人で、全体の0・02%から0・06%に増えた。重症急性呼吸器症候群の患者はリオ州、サンパウロ州、パライバ州中心に全国で増えている。
 感染第5波といえる状況下、オミクロン株の下部変異株対応ワクチンや治療薬の承認も進んでいる。25日からはミナス州連邦大学が開発した国産ワクチンSpin―Tecの治験も始まっている。
 サンパウロ州政府は新型コロナ感染症最大の防疫手段である予防接種も推奨している。この場合の予防接種には2度の補強接種が含まれる。最近は従来からみられたBA5型ではなく、感染や予防接種で得た抗体をすり抜ける能力が高いBQ1型やBQ1.1型の感染者が増え始め、懸念が拡大。重症化や死亡を避ける意味でも補強接種を受ける事が勧められている。

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