平均寿命僅かに伸びて77歳=男性73歳、女性80歳に=人種間の格差は拡大か

高齢化が進んいる町の様子(Arcevo/IBGE)
高齢化が進んいる町の様子(Arcevo/IBGE)

 地理統計院(IBGE)が25日、2021年の平均寿命は77歳で、前年より0・2年伸びたと25、26日付現地紙、サイトが報じた。
 2020年、21年はコロナ禍で死者が急増し、2月21日には平均寿命が4・4年縮むとの予想も出ていたが、2019年~20年と20年~21年は0・2年ずつ伸びた。2012年以降の寿命の伸びは2・4年だ。
 平均寿命はその年に生まれた人が何歳まで生きるかを示し、生後1年以内に亡くなる子供が、出生児1千人あたり11・5人から11・2人に減った事が大きく影響した。乳児死亡率は1940年の146・6人/1千人以後、低下している。また、21年に77歳になった人の平均余命は11・4年、30歳になった人の平均余命は49・2年だった。
 男女別の平均寿命は男性73・6歳、女性80・5歳で、6・9年の差だ。20年は男性73・3歳、女性80・3歳だった。
 IBGEでは人種別の差は出ていないが、27日付フォーリャ紙は医療サービスや医療保険へのアクセスの差などで2001~21年の長寿指数は人種差が拡大したと報じた。
 21年の黒人系(黒人と褐色)の死者は平年の数値から予測される死者を28%上回ったが、白人は18%増で、黒人系の死者がより増えていた。また、北部は黒人系38%対白人48%、中西部は24%対30%で白人の死者増加率が黒人系を上回ったが、南東部は26%対16%、南部も23%対12%で黒人系が上回った。
 01年と21年の長寿指数は、サンパウロ州とリオ州がマイナス0・163と0・173からマイナス0・207と0・251にと各々、大きく悪化した。これは、黒人系が殺人などの暴力被害に遭いやすい事と、都市周辺部などに住み、医療サービスへのアクセスが困難な事や失業などの影響を強く受けた事などが原因と見られている。
 コロナ禍でこの傾向が顕著になった事はミナス連邦大学やブラジリア大学の研究でも判明。黒人系の死亡リスクは白人を9%ポイント上回ったという。
 サンパウロ州の黒人系人口は48・3%だが、サンパウロ州議会の黒人系議員は改選後もまだ19・2%で、黒人系住民の声が政治に十分に反映されていないことを示唆している。

最新記事