株式市場は、国外の楽観論に支えられて水曜日に上昇した。だが、11月には財政リスクによってIbovespaを下落させた。11月のブラジル証券取引所は、政治要因によるボラティリティが「新しい常態」となっており、今月最後の取引セッションでも状況は変わらなかった。30 日(水)、投資家の関心は主に国内の政治ニュースに集中したが、外国シナリオの動きも影響を与えた。
この日最も期待されたのは、米国の中央銀行であるFRBのジェローム・パウエル議長の講演であった。議長の講演は、市場関係者の間ではハト派的(ソフト)であり、今後数カ月の間に国内の利上げペースが鈍化することを示唆しているとされた。
これを受け、終日、損失と利益の間で揺れ動いた米国株式市場は、力強くプラス圏に浮上し、高値で引けた。ダウ平均が2.18%上昇の34,589ポイント、S&P500が3.09%上昇の4,080ポイント、S&P500が2.0%上昇の3,918ポイント、ナスダックは4.41%上昇し11,468ポイントで取引を終えた。
国外では株式市場の牽引役となったニュースも、ここブラジルでは当初、その影響は限定的だった。それは、ルーラ次期大統領が「移行PEC」の内容をあまり譲歩しないように見えたからだ。ルーラは今日の午後、アルトゥール・リラ下院副議長と会談し、イボベスパ指数は会談の最後にマイナス圏に突入した。
ルーラは選挙公約を実現するために、移行PECの数字を維持したいと考えている。そのためには、歳出上限枠外の金額を1,980億レアルに近い数字に維持しなければならない。これに対し「現実とかけ離れた数字で、市場には通用しない」と多くのエコノミストは見ている。
しかし、取引終了間際にIbovespaは新たな展開を見せた。米国経済の見通しが明るいことから景気後退の懸念が後退し、ブラジル証券取引所における最重要企業であるコモディティ関連企業の業績が改善した。
一連の流れを受け、Ibovespaは1.42%上昇し、112,486ポイントとなり、この日の最高値で終了した。出来高は399億レアル。しかし、大統領選挙後の最初の1ヵ月間は、3.06%の下落を記録した。11月の最悪の瞬間には、Ibovespaはほとんど107千ポイントまで下がった。ルーラ大統領勝利後の第1週という最高の局面では、12万ポイントを超えていた。
外国人投資家は、国内投資家よりも、PT政府に大きな期待をかけている。ルーラの次期政権の経済チームに関する不確実性と財政リスクも、11月にドルが5.40レアル近くまで達した原因となった。しかし、本日の米国通貨は、買いで5.201レアル、売りで5.202レアルとなり、1.63%下落して取引を終えた。当月、コマーシャル・ドルは0.68%の高値を積み上げた。
また、12月は例年、外国投資家が資金を本国に持ち帰る時期でもあり、結果的にドル高のベクトルとなることもある。
年末の上昇期待は、今後の政治・財政リスクに影響される傾向がある。傾向としては、各官僚の名前、特に財務相が公表されるまで、この高いボラティリティが続くと見られている。
マーケット向けのプロファイルを持つ名前が財務相にあがれば、Ibovespaは強い回復を見せるかもしれない。だがイデオロギー的な部分にこだわった、あまり好ましくない名前であれば、投資家はリスクを減らす傾向にあり、ブラジル証券取引所のパフォーマンスに悪い影響を与える可能師がある。
12月は国内外から見てポジティブな傾向があると見ているエコノミストもいる。最新の米国のマクロ経済指標ではすでにインフレがある程度冷え込んでおり、また米国の労働市場もある程度冷え込んでいるため、国際金融政策の実施に前向きな見通しをもたらしているとの見方がある。
このことから、投資家はより高いリターンが期待できる資産、つまりより高いリスクを持つ資産に移行する可能性が少し高くなるとの考え方だ。
次期大統領は、将来の財務相の発表が遅れたことで市場を不愉快にさせ、投資家に大きな不安をもたらして停滞した。だがその分、次期政権の閣僚の名前が公表されれば、一気に市場に動きが出てくる可能性がある。
移行PECの内容は、現在のところ、国の財政リスクを上げすぎたことで市場を失望させた。ルーラ次期大統領が選挙公約を守るために歳出上限枠に2000億レアル近い金額を守ろうとしているが、逆にその金額が減れば株式市場の上昇を招く可能性がある。
もし枠外の金額が市場の予想と一致する数字まで減り、将来の大臣の名前が市場を喜ばせるなら、大きな上昇は起こり得ると見られている。