ペルーのペドロ・カスティジョ大統領が7日、議会閉鎖と非常事態を宣言したが、弾劾裁判で罷免され、逮捕されたと同日付ブラジル国内サイトが報じた。
同大統領は労働組合の活動家として頭角を現した元教師で、急進左派政党のペルー・リブレから2021年の大統領選に出馬。同年7月に大統領に就任したが、既に3回目となる弾劾裁判が予定されていた7日に議会閉鎖を宣言。テレビ演説では、新議会選出までは政令で統治すると語り、夜間外出禁止令も出した。
カスティジョ大統領に対する弾劾裁判は、10月11日にペルー国家検察庁が議会に提出した、犯罪組織の形成やあっせん収賄罪、共謀罪などについての起訴状に基づいたものだ。検察庁によると、同大統領は政権内の閣僚らと手を組んで不正に政府入札を操作し、不当な利益を得ていたという。
ペルーの憲法裁判所(ブラジルでいえば最高裁)はカスティジョ氏の行為はクーデターにあたると判断。数週間前に同大統領とたもとを分かった副大統領を大統領とするよう命じた。
他方、同国議会は閉鎖言言を無視して弾劾裁判を実施し、賛成101票、反対6票、棄権10票という圧倒的な差でカスティジョ大統領を罷免する事を承認した。同国検察庁や軍も、カスティジョ氏の行為はクーデターと判断している。
カスティジョ氏はその後、大統領官邸に派遣された国家警察によって身柄を拘束され、リマ市市役所に連行された。国家警察は「前大統領を逮捕」との報道を流している。カスティジョ氏の身柄は同日夜、国家警察特別作戦局の基地に移された。
同国では支持派と反対派の双方による抗議行動も起きているが、同国議会は現地時間午後3時(ブラジリア時間の午後5時)に副大統領のディナ・ボルアルテ氏を召喚、大統領に任じた。