W杯クロアチア戦でまさかの敗北を喫したブラジルで、〝戦犯〟として血祭りにあげられているのがチッチ監督だ。敗戦直後ネット上では、同監督を批判する投稿が多数上がった。
チッチ監督を批判する理由はペナルティー後にフィールドで涙する選手を慰めるでもなく、スタンド席にいる応援団への挨拶をするでもなく、ロッカールームへと静かに身を隠してしまったからだ。
そこで比較されたのは実は、同じくクロアチアに敗れた日本代表の森保一監督がPK戦の後にとった態度だった。森保監督は応援団がいる観客席に深く頭を下げた。
ツイッター上では、その姿とチッチ監督の後姿が横並べにされ、「これがリーダー(森保監督)と臆病者(チッチ監督)の違い」とコメントされた画像が、ここぞとばかりに多数投稿された。
その結果、ツイッター上で「Covarde(臆病者)」と、皮肉の意味を込めた「Parabéns Tite(チッチおめでとう)」のタグがトレンド入りを果たした。
クロアチア戦の直前、過去にほとんど負けたことがないことから、ブラジルではメディアを含めて結果を楽観していた節がある。だが敗れた。
前半戦は両チーム得点を許さず、後半戦に緊張感を漂わせ選手のプレイには粗さが目立つようになった。延長戦前半の残り5分でネイマールがドリブルを重ねて得点した瞬間はブラジル中が歓喜した。
そのまま勝利かと安堵したすぐ後、後半の残り5分でペナルティーエリアに守備2人しかいない状態でクロアチアに失点して同点に。
その後はPK戦でいきなり連続失点。ネイマールまで出番が回ることなく幕を閉じた。「今回こそ20年ぶりに6度目の優勝だ!」と待ちわびていたブラジル国民は、この瞬間に絶望の淵に叩き込まれた。