予防接種の進展により、今年の新型コロナ感染症の入院者数は感染第3、第4波にも関わらず昨年比で82%減ったが、4歳以下の入院者は2021年を超えていると12日付現地サイトが報じた。
保健省風邪の疫学的監視情報システム(Sivip―Gripe)によると、1月1日~12月5日に入院した0~2歳児の新型コロナ感染者は1万1144人で、昨年1年間の入院者数を21・3%上回っている。
0~2歳の入院者は20年6348人、21年9181人で、全体の1%未満だったが、今年は5%を超えている。また、基礎疾患などの重症化リスクありは18・6%で、重症化を避けるためには予防接種が必要な事がわかったという。
国家衛生監督庁(Anvisa)は9月にファイザー社製の同年齢層の子供用ワクチンを認可したが、保健省は11月になってやっと、基礎疾患のある子供への接種を認めた。
他方、3~4歳児の入院者は20年1427人、21年1845人、22年2089人で昨年の年間総数を超えたが、現在の増加率は13・2%だ。3~4歳児は7月に認可されたコロナバックも使えるが、保健省はコロナバックを買い控えた上、予防接種計画に組み込むのも遅れた。
5~11歳児は20年3356人、21年3698人、22年3431人で、年末時点では昨年と同水準かそれ以下で終わる可能性がある。この年齢層はコロナバックとファイザー社製ワクチンが使えるが、接種開始は1月で、3~11歳児で2度の接種終了者は37・18%のみだ。
12~18歳は20年7656人、21年9613人と急増したが、22年は5979人で急減中だ。この年齢層では80・18%が2度の接種を終了しており、補強接種を受けた子供もいる。
ブラジル小児科学会感染症科では0~1歳児は免疫力が低い事も入院を必要とする事例が多い原因としている。さらに、接種効果や安全性を疑わせるような偽情報や子供は感染しても重症化しないという偽情報の流布も、接種率が上がらず、年少の入院者が減らない理由と見ている。また、6カ月~3歳で基礎疾患のない子供への接種開放は現在検討中という保健行政のあり方も、入院者の増加の一因といえる。