ABGJ、原口さんを追悼=会席料理普及の第一人者

イベント記念撮影での原口マルガリーダさん(中央)

 ブラジル和食協会(ABGJ、白石マルセロ会長)は10月28日、サンパウロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウス」で招待制和食普及イベント「会席料理」を行い、ブラジルへの会席料理文化定着に貢献した故原口政信さんの追悼顕彰を行った。
 同イベントは、10月25日から11月1日にかけて同協会が行った、和食文化普及週間「第1回和食ウィーク」の一環として実施された。
 会席料理とは、宴席でのもてなし料理のことを指し、同音異義語の「懐石料理」はお茶を嗜むための食事を指す。
 原口さんは宮崎県出身。日本調理師協会公認の料理人として1979年に26歳で渡伯した。サンパウロ市の有名日本食料理店「サントリー」で料理長を務め、割烹「雅」」や「伴」を経営し、「一茶」、「居酒屋松」でも調理を担当するなどして活躍。ブラジルに「会席料理文化」を広めた一人として知られている。今年3月22日に肺炎のため、68歳で亡くなった。
 イベントでは、前菜の八寸やお造り、蒸し物、揚げ物、焼き物、お食事などが振る舞われ、各料理にあった日本酒も供された。
 原口さんの妻で「一茶」を経営する原口マルガリーダさんは式典挨拶で「最初は遠慮しましたが、まさかこんな大きな追悼の会を行っていただいたことに驚いています。本当に感謝しております」と深々と頭をさげた。
 ABGJのメンバーで和食料理店「藍染」の経営者の一人、和食料理人の白石テルマさんは「原口先生がブラジルの日本食界を発展させたのは間違いないこと。その感謝を込めて無事イベントが開催できてよかった。これからも原口先生の広めたことを忘れず受け継いでいきたい」と述べた。

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