【既報関連】12日夜にブラジリアで起こったボルソナロ大統領派の暴力的抗議行動に関し、連邦直轄区の軍警の対応が甘く、逮捕者も出なかったことに驚きの声が広がっている。13、14日付現地紙、サイトが報じている。
バス5台、乗用車3台を焼き討ちし、連邦警察ビルに侵入して器物損壊なども行ったボルソナロ大統領派の暴力行為は、同日午後、選挙高裁でルーラ次期大統領の大統領選当選の認証式が行われた直後だっただけに、強い波紋を投げ掛けた。
この暴動後、ルーラ氏の側近らは、対処にあたった連邦直轄区の軍警の警備が非常に甘かったことに驚いたと主張している。彼らは「認証式に対して行ったのと同様の警備をするべきだったが、あの暴動では逮捕者さえ出なかった」と、軍警の態度を疑問視した。「ブラジリアには警備の精鋭が集められているはずなのだが」と、労働者党(PT)のグレイシ・ホフマン党首も不満をあらわにしている。
軍警の行動に驚いたのはルーラ氏陣営だけではなく、連邦直轄区の市警も逮捕者ゼロの事実に驚いている。市警もこの日は警備体制を通常の倍の人数に増やしていた。
さらに連邦直轄区検察局のフラヴィオ・アウグスト・ミニョメム捜査官は軍警に対し、5日の期限でこの日の警備に関する詳細な説明を求めている。
ここで疑われているのは、軍警に親ボルソナロ大統領であることをほのめかすような行動がなかったかということだ。10月30日から11月初旬に大統領派が幹線道路閉鎖のデモを行った際は、熱心なボルソナロ派のシルヴィネイ・ヴァスケス連邦道路警察長官が部下たちにデモを黙認させるなどの行為が見られたためだ。この件で同長官は検察から停職願いが出された上、任務不履行などで被告扱いとなっている。
これらの疑いに関し、連邦直轄区のイバネイス・ロシャ知事(民主運動・MDB)は「軍警は通常通り、迅速な行為を行った」と反論している。