【19日の市況】STF決定後、米国に反してイボベスパ指数は1.83%上昇し、ドルは0.28%上昇

 最高裁判断によって財政リスクが低下したという国内ニュースは、ブラジル証券取引所の主要指数に有益であった。Ibovespaは月曜日(19日)、1.83%上昇して104,739ポイントが終値となった。ブラジル証券取引所の主要株価指数は、米国で見られた下げとは別の動きとなり、現地の政治的なニュースが手伝って上昇した。
 ニューヨークでは、ダウ平均、S&P 500、ナスダックは、それぞれ、0.49%、0.90%、1.49%下落した。これは、連邦公開市場委員会(Fomc、英語の頭文字)による金利発表があった先週の水曜日から始まった下落の流れの一環と見られている。金利の上がり方は予想内にもかかわらず、同委員会のコメントは、来年の金利動向は長い間高いままだという見通しを表しており、予想より少し厳しい内容だったと受け止められている。
 米国では、金融当局の最近の発言を受けて市場が米国経済に対して再び悲観的になり、再び景気後退を懸念したため、指数のパフォーマンスはマイナスとなったと見られている。
 国債利回りは、FOMCの影響を受けて、2年物が8.8bp増の4.268%、10年物が11p増の3.592%と高値引けとなった。
 一方、ブラジルの場合、対外的なシナリオよりも、対内的なシナリオに縛られている。連邦最高裁判所(STF)のジルマール・メンデス判事は、ボルサ・ファミリアを歳出上限の外に置く判断をした。この枠外の支出はボルサ・ファミリアに限定されるので、市場にとっては良いことだと判断されている。移行PECだと約1,500億レアルという上限外の金額だが、ボルサ・ファミリア限定なら300億か400億レアルの間くらいだと見られている。一方、アルトゥール・リラ(下院議長)はすでに、この議論を議会に持ち込む必要性を擁護する姿勢を見せている。
 市場関係者の中には、この最高裁判断は、移行PECそのものが承認された場合よりも穴が小さく、財政的にプラスに働くと見ている人も多い。しかし、リラ下院議長が移行PECの方も通す可能性があり、注意深く見守る必要がある。
 ジルマール・メンデス判事の判断のほかに、リラはまた、R$145億ドルを歳出上限の枠代に置くけれども、期限は1年に限るという妥協案で下院を通過させるとのアイデアも出していると報じられている。今後数日間、議論が続くだろうと見られている。
 ブラジルのイールドカーブも一息ついた。2024年のIDは5.5bp減の13.93%、2025年のIDは8.5bp減の13.73%であった。2027年産は4.5ポイント減の13.62%、2031年産は1ポイント減の13.50%となった。
 最高裁判断でボルサ・ファミリア限定で歳出上限の枠外に置かれる場合、財政リスクの低下と金利低下の可能性があり、国内シナリオに連動する企業が有利と判断されてIbovespaの主な高値圏になった。ヴィア(VIIA3)の普通株は16.23%、クオリコープ(QUAL3)の普通株は14.68%、アメナス(AMER3)は12.65%の上昇となった。
 一方、コマーシャル・ドルは対レアルで0.28%上昇し、買いが5.309レアル、売りが5.308レアルで取引を終えた。しかし、アメリカの通貨は、レアルに対して、わずかな振れしか見せなかった。

 

最新記事