サッカーW杯、アルゼンチン36年ぶりV=死闘の末、メッシに初栄冠

優勝に湧くアルゼンチン代表(FIFA)
優勝に湧くアルゼンチン代表(FIFA)

 カタールサッカーW杯決勝が18日に行われ、延長戦3―3からPK戦にもつれこむ死闘の末、アルゼンチンが前回優勝のフランスをPK戦4―2で下し、同国にとって36年ぶり、南米勢では20年ぶりの優勝を飾った。18、19日付現地紙、サイトが報じている。
 一部で集団ウイルス感染とも報じられたフランスは、序盤の動きが鈍く、前半は一方的にアルゼンチンのペース。23分、ディ・マリアが微妙な判定ながらもペナルティ・エリアでの転倒でファウルを導きPKに。これを35歳のエース、メッシが決めて先制した。
 36分にはドリブルで攻め上がったマッカリスターのパスを受けたディ・マリアが左から走りこんでシュートを決め、2点目。メッシと共に4大会連続W杯出場の34歳のベテランの先発起用が当たった。
 後半、フランスは積極的な選手交代で調子を取り戻し、35分、ペナルティ・エリアでのファウルで得たチャンスをエース、エムバペが決め、1点差。その1分後にはフランスの巧みなパス回しのあと、エムバペがゴール右隅に豪快なシュートを決め、同点となった。試合はこのまま延長戦に突入した。
 延長後半3分には、ラウタロのシュートをはじいたロリスからのこぼれ玉をメッシがシュート。ディフェンダー、クンデが追いつくも、ボールはゴールの中でアルゼンチンが勝ち越し。だが、試合終了2分前にペナルティ・エリアでモンティエルにハンドの判定。これで得たPKをエムバペが決めて、この日の自身3点目とした上、3―3のままPK戦にもつれ込んだ。
 先行のフランスは2人目のコマンが止められ、3人目のチュアメニが外したが、アルゼンチンはメッシ、ディバラ、パレデスと順調に決め、4人目のモンティエルが決めた瞬間、4―2で勝利が決まった。
 アルゼンチンはマラドーナが活躍した1986年以来の3度目の優勝。南米勢では2002年のブラジル以来の優勝となった。サッカーの最優秀選手「バロンドール」に7度選ばれていたメッシにとっては、5度目の出場で初のW杯優勝となった。

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 サッカーW杯はアルゼンチンの優勝に終わり、同国民が首都ブエノスアイレスはじめ、方々で喜びを爆発させている姿がSNSで見受けられている。とりわけ、メッシが遂にW杯優勝を手にしたことで「遂にマラドーナに並んだ」とサッカー伝説の新たな1頁としたい人が多いようだ。隣国故に普段はライバル意識の強いブラジルのサッカーファンも、「でもペレは3回優勝したけど」と言いつつ、祝福しているようだった。ブラジルのファンはメッシの他にスカローニ監督も評価しているようで、試合ごとに先発も戦略も器用に変えた同監督を褒め、「チッチは見習うべきだ」とする声が目立っていた。

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