癌との闘病のためサンパウロ市内の病院に入院中のペレが23日夜、様々な状況から予断を許さない状態と解釈され、国内外に緊張が走った。23〜25日付現地紙、サイトが報じている。
「ペレの状況が危ういのではないか」との憶測は23日夜、ペレが現役時代を過ごしたサントスの本拠地ヴィラ・ベルミロ・スタジアムのグラウンドの中央に二つの大きな仮設バラックが突如建てられたことで広がった。
この動きは「ペレに何かがあったのではないか」と勘ぐられ、サントスやペレのファンの間で大量に拡散された。この動画の中では「ペレ」と書かれた看板が至る所で見られ、非常に多くの警察官も配備されていた。
また、ペレが11月29日から入院しているサンパウロ市のアルベルト・アインシュタイン病院の広報が、この日のペレの病状報告を出さないと発表。そこに加えて、「ペレは生きている」と発表したことも騒ぎを大きくした。
病院側としては、既に「実はペレはもう亡くなっているのではないか」との噂が拡散されていたため、それを打ち消すために「生きている」と発表したのだが、不自然な発表の仕方がかえって不安を高めてしまった。
さらに、普段は米国に在住だが、父入院と聞いて帰国したペレの娘、ケリー・ナシメントさんが23日23時に自身のインスタグラムを更新。そこでは、鼻からチューブをつけたまま横たわるペレの上に腕を投げかけたまま目を閉じて祈るかのケリーさんの写真があげられ、「私たちは信仰を持って共に戦っている。また一夜を共に過ごす」とのメッセージが添えられていた。25日夜にはエディーニョ氏とジョシュア氏を含む4人の子供と2人の孫の写真と感謝の言葉も掲載された。
ペレはアルベルト・アインシュタイン病院に入院してすぐに肝臓や肺への癌の転移が発見され、「病院側が化学治療を中断した」との報道が流れた。この頃はちょうどW杯が開催されており、開催地のカタールのスタジアムでペレへの激励が行われる場面がしばしば見られたため、ペレが慌てて「化学治療は継続中だ」と否定し、自身への心配や支援への感謝を示していた。