リオ市北部ペーニャ区ヴィラ・クルゼイロで24日、軍警特殊作戦実行部隊(Bope)、連邦警察(PF)、連邦道路警察(PRF)による犯罪組織摘発のための合同作戦が行われ、激しい銃撃戦により、21人の死者が出たと同日付G1サイトやアジェンシア・ブラジルなどが報じた。戦争でもないのに、警察の作戦により大量の死者がでたことで波紋が広がっている。
今作戦の最大の目的はヴィラ・クルゼイロに隠れているコマンド・ヴェルメーリョ(CV)のリーダーらの逮捕だ。同地区には、リオ市内にあるジャカレジーニョやマンゲイラといったスラム街(ファヴェーラ)だけでなく、北東部や北部の州から逃れてきた犯罪者もかくまわれているという。
作戦が始まったのは24日未明で、犯罪者達が火器を駆使して抵抗したため、未明から午後にいたるまでの長時間にわたり銃撃戦が繰り広げられた。住民の多くは4時頃から銃声が聞こえたと語っており、軍警も、BopeやPRFが緊急作戦に取り掛かった直後から、激しい砲撃を浴びたと述べている。
作戦の重点はヴィラ・クルゼイロの中でも高台で雑木林などがある地域だったが、同地区に隣接するペーニャ複合スラム街シャトゥバ地区に住む女性の1人が屋内で流れ弾を受け、死亡した。
午後4時までの報告によれば、それ以外にも死者が21人出ており、内12人は犯罪組織の構成員とされている。残る9人の身元はまだ確認中だ。
午後6時までの報道では、犯罪者と思しき男性2人、身元は未確認の男女各1人、現場検証にあたっていた市警1人が負傷し、病院に運ばれたという。
今回の作戦は軍警のヘリコプターの支援も受けて行われ、長身の銃13丁、拳銃4丁、手榴弾12個、大量の麻薬が押収された。盗難届が出ていた車10台とバイク20台も回収された。
犯罪者の一部は雑木林の間を縫う土道を使って隣にあるアレモン地区の複合スラム街に逃げており、同日の作戦はとりあえず、夕方までで打ち切られた。
今回の作戦では激しい銃撃戦が繰り広げられた事もあり、ペーニャ地区とアレモン地区の市立校13校は休校となった。
同地区にかくまわれているとみなされていた犯罪者の中には、パラー州で今年だけで治安関係者13人以上を殺害した犯罪組織のリーダーなども含まれているという。
犯罪組織摘発のための警察の合同作戦はこの後もまだ続く見込みだ。
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