「父を継いでブラジルとのご縁を」=小渕日伯議連副会長が来伯=両国関係の強化を誓う

日本館で文協役員と懇談する小渕衆議

 1月1日のルーラ大統領就任式に参加した特派大使、小渕優子衆議院議員(日伯友好国会議員連盟副会長)は昨年12月29日に来伯し、サンパウロ市の開拓先没者慰霊碑、移民史料館、ブラジル群馬県人会を訪問。翌30日にはジャパンハウス、サンタクルス日本病院などを訪れていた。

 小渕衆議はまず、29日にサンパウロ市イビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑を訪れ、献花を行った。ブラジル日本都道府県人会連合会の市川利雄会長や山田康夫前会長、本橋幹久元会長などから慰霊碑の由来や日本移民に関する説明を受けた。
 その後、同公園内にある日本館をブラジル日本文化福祉協会(文協)石川レナト会長、山下譲二評議会会長、在サンパウロ総領事館の桑名良輔総領事などと視察した。
 日本館では、石川会長の経営する農場で採れたコーヒーを飲みつつ、桑名総領事が各地の日系団体と日本との繋がりを説明。今後の日本政府と日系社会の関係性の持続及び強化の必要性、日系社会の若者たちの存在が海外のみならず日本でも重要になってくることなどについて話し合った。
 その後、ブラジル群馬県人会を訪問。磯白田ネウザ会長などに迎えられ、「今後もブラジルと群馬県の懸け橋としてよろしくお願いします。お元気に過ごしてください」と挨拶。会員らと懇談を行った。小渕衆議は04年の来伯時にも、同会館を訪れており、改築された会館の様子を見て驚きの表情を浮かべていた。

 文協ビル内のブラジル日本移民史料館を訪問し、山下リジア史料館運営委員長が案内。同ビル2階の貴賓室にて文協主催歓迎レセプションが催された。歓迎会には約40人が参加した。歓迎会では日系団体を代表して石川文協会長が、小渕家と日系社会の約30年前からの深い繋がりについて話し、父・故小渕恵三氏がこれまで行った日伯関係強化の取り組みを振り返った。
 石川会長は、小渕衆議が08年のリーマンショックで在日ブラジル人の支援などを行ったことへ感謝を述べ、「今回の訪問を機に、さらに日本とブラジル両国の発展のためにご活躍頂ければ」と期待を寄せ、本年6月の日本移民115周年記念式典の参加を呼びかけた。
 挨拶に立った小渕衆議は「ブラジルでこんなにも日本文化が親しまれているのは、日系人の皆さまが日本文化を普及してくださっているからと感謝しております。日本ブラジル友好議員連盟の副会長を務める身として改めて感謝を申し上げます」と語り、「日系社会は4、5、6世の世代へと移り変わってきているとも伺いました。若い世代の方々に日本の良さ、誇り、責任感や親切さをどう受け継いでいくのか、様々な課題があると思いますが、日系社会を新たに担っていかれる若い方々に活躍の場が広げられているとも聞き、心強く思っています」と述べ、「これからもブラジルで日系人として誇りを持って輝いていただけるためにも、日本自身が、しっかり未来を見据えて輝いていかなければならないと思っております。政治家としてその責任の一端を担っていること、そして父を継いでブラジルとのご縁を持つことを心に刻んで頑張っていきたいと思います」との言葉で挨拶を締めくくった。

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