ブラジル日本文化福祉協会(文協)は昨年12月10日、第161回定期評議委員会をサンパウロ市の文協ビル2階貴賓室にて開催した。文協評議委員や各委員会長ら38人が出席し、2023年度事業計画案や予算案発表、石川レナト理事会会長による訪日内容報告を行った。
評議委員会では、山下譲二評議員会会長が23年度に実施する事業としてブラジル日本移民115周年記念祭の開催、2024年の日本館70周年に向けた企画実施、国士舘公園「原沢パビリオン」の完成、日伯友好関係の維持と強化、若手リーダー主体の活動の促進の5つを挙げた。
照屋ウゴ専任理事が23年度事業の詳細を運営管理、文化社会事業、交流事業、青年統括委員会の4部門に分けて説明し、合わせて来年度のイベントスケジュールを発表した。照屋専任理事は「イベントの開催により文協の存在を社会へさらにアピールしていきたい」と話した。22年にサンパウロ州サンロッケ市の国士舘公園で開催した文協文化祭りを、23年はサンパウロ市内で行う予定であることも明かした。
平野オストン会計常任理事から22年度の収支報告と23年度予算案発表が行われた。22年度の経常収支は、収入313万7千レアル、支出366万レで、52万3千レの赤字。平野会計常任理事は経常収入の減少は会員の高齢化や死亡を理由とする退会と、団体や協会、中小企業会員の減少によるものとし、今後どのように新規会員を獲得するかが課題であるとした。下水管故障や文化スペースのアルミニウム製プレートの窃盗、文協ビル入り口前での車両爆発事件による損傷修繕費用なども響いた。
一方で、イベント収入などの経常外収益を含めた総収支は59万8千レアルの黒字となった。22年度予算は立案当初、11万5千レの黒字と見込んでいたが、予想を大幅に上回った。平野常任理事は「22年度予算は予想より良い結果で終わったが、23年予算に対して決して楽観的になってはいけない」と強調。23年度予算案は、文化奨励法による補助やイベント収益を控えめに想定し、総収支は14万8千レの黒字となると見込んだ。
石川理事会会長による訪日内容報告では、訪問したJICA横浜海外移住資料館、海外日系人協会、東京ブラジル大使館、日本財団、日本ブラジル中央協会、外務省、ペルー人企業「キョウダイ」の各所感が述べられた。石川理事会会長は訪問を通じて、今後はブラジル連邦議員と協働して活動を行う必要性を感じたと述べ「外交官より政治家が必要だ」と語った。