【既報関連】連邦警察による安全確認を受け、大統領府(プラナルト宮殿)が予定より早く稼働し始め、4日にはマリーナ・シルヴァ環境相の就任式も開催されたと4~5日付現地紙、サイトが報じた。
マリーナ氏の環境相就任式はブラジル銀行文化センターでの予定だったが、同センターの貴賓室は狭いため、大統領府で執り行われた。マリーナ氏には気候変動に焦点を絞った特別職にとの話があったが、この問題はより専門かつ技術的な立場の人物が相応しいとして特別職就任を拒んだため、環境相に就任する事となった。
ただし、環境問題と気候変動は密接な関係があるため、環境省の名前は環境気候変動省と改名された(略号はMMAのまま)。
マリーナ氏の就任式には新政権の閣僚、環境問題や気候変動に関する専門家なども集まり、国際社会での信用回復も含めた働きへの期待を示した。
マリーナ氏は就任挨拶で四つの局新設と国家気候変動局の即時再設を宣言。同局では、海洋や沿岸の管理政策も扱う。同氏によれば、環境省内でも全国気候変動審議会を創設するが、気候変動に関しては3月までに大統領が主導し、他の省庁や州、市、社会団体なども取り込んだ国レベルの評議会が創設されるという。
新設された局は、温室効果ガス排出の主要因を森林伐採ではなくすための森林破壊と領土秩序管理特別局、伝統的な部族とコミュニティ・持続可能な農業開発局、生物経済局、都市環境と環境の質管理局の四つだ。
伝統的な部族とコミュニティ・持続可能な農業開発局は先住民省との協力も必要で、ソニア・グアジャジャラ先住民相と目配せをする場面も見られた。また、持続可能な農業実現に向けては、「神が望むなら」との言葉を添え、カルロス・ファヴァロ農務相と協力して行く可能性に言及した。
気候変動に関する取り組みは第3期ルーラ政権の国際公約でもあり、外務省内にも気候変動や環境、科学技術に特化した局が新設される予定だ。