2014年から自転車で世界を旅している津田幸洋さん(33、福岡県)が12月19日、編集部を訪れた。津田さんはこれまでオーストラリア、ニュージーランド、アラスカ、アルゼンチン、ウルグアイを自転車で巡ってきた。ブラジルではサンパウロ市、リオ、マナウスを旅し、その後日本に帰国する予定だという。
旅行が好きで、大学2年生の時には3カ月間をかけてアジア10カ国を旅したという津田さん。大学卒業後、日本の商社に勤めながら、旅行資金を貯め、今回の旅を始めた。「学生の頃、旅人の石田ゆうすけさんや坂本達さんの本を読み、自転車旅に憧れをもったのがきっかけです」という。
旅行中は短期ホームステイが出来る家を探して費用を節約。旅行資金は食費や航空代、自転車の維持費に充てた。オーストリアとニュージーランドでは、ダイビングインストラクターの仕事で旅費を稼ぎ、現在は旅行ライター業などで旅費を賄っている。
ブラジルでは「世界最大の日系社会と日本語教育の現状を知りたい」と話す。津田さんは、日本語教育の専門家ではないが、「パラグアイのラ・パスやピラポ移住地を訪れた時に、日本語を流暢に話す現地の日系人と出会って驚きました。他に日系人コミュニティーがないかと聞いたところ、ブラジルを勧められ、ブラジルの日系社会を知ってみたいと強く思いはじめたんです」という。
8日には、サンパウロ州レジストロ市を訪れ、地元文協の川尻イリネウ誠会長の家にホームステイした。「川尻会長には、すごくよくしてもらいました。折よく開かれていた忘年会にも参加させてもらい、こちらの方々の様子を知ることが出来、とても興味深かったです」。サンパウロ市では、ブラジル日本文化福祉協会ビルの移民史料館を見学し、同ビル内にある編集部にも訪れた。「出来たらどこかで日本語学校も見学もさせてもらいたいですね」と語った。
8年間に及ぶ自転車旅行の旅は、これまでの旅行人生で訪れていなかった南北アメリカ大陸最後の国、ブラジルで締めくくりとなる。「ブラジルを始め、南米の人々からは心の温かさを感じました。野菜や果物は安くて、料理もおいしい。でも、町中に急に危ない場所があって、そこが難点ですね」と語った。
津田さんは帰国後について「まず長い間会っていない家族に会いたいですね。その後は、日本以外の国で働こうと思っています。具体的には決めていないけど、将来自分で何か商売も始めたいです。アフリカとヨーロッパにはまだ行ったことがないので、行ってみたいとも思っています」と語った。
津田さんは旅先の風景などを自身のインスタグラム(@yukihirotsuda)で公開している。「旅の様子を知りたい方がいれば、是非インスタグラムを見に来てください」と呼びかけた。