ブラジル外務省は、国外就労者情報援護センター(CIATE)理事長を務める二宮正人さん(73歳、長野県)らを、リオ・ブランコ国家勲章コメンダドール位に叙勲し、昨年12月7日にブラジリアの外務省大広間にて伝達式を行った。
伝達式には、受章者親族や林禎二大使ら約100人が出席。コメンダドール位には、三井物産前会長の飯島彰己さんや、日系人初のブラジル外交官の故藤田エジムンド進氏の妻で国連開発計画に携わる藤田マリア・リガヤさんも任ぜられた。
叙勲に対し二宮さんは「世の中には、私より立派な仕事をしている人がたくさんいます。こんな素晴らしい勲章を頂いて、光栄ですが、他の人に差し上げたい気持ちです」と語った。
リオ・ブランコ国家勲章には5つの等級があり、上からグランドクロス位、グランドオフィシャル位、コメンダドール位、オフィシャル位、カヴァレイロ位となっている。
二宮氏は1989年に通訳としてカヴァレイロ位を受章し、1998年にサンパウロ大学(USP)の教授としてオフィシャル位を、今回はCIATEの理事長としてコメンダドール位を受章した。
グランドクロス位は大統領や大臣、グランドオフィシャル位は連邦上院議員や副大臣、軍人中将に与えられる。コメンダドール位は民間人が受章できる最高位になる。
関連コラム・サビアのひとり言
ブラジル陸軍で砲兵大尉を務める二宮さんの息子のマサキさんは、今回の勲章が「軍人だったら陸軍少将にならないと貰えない勲章」と知り、驚いていたという。また、伝達式は12月8日に行われる予定だったが、翌9日がサッカーW杯ブラジル代表戦となったため、開催日程を急きょ1日早めたそうだ。二宮さんは「せっかく高い飛行機のチケットを買ったのに大変でしたよ。それでも最後には上手くいったのでほっとしました」とブラジルならではの裏話を明かしてくれた。