小売り大手「ロージャス・アメリカーナス」で200億レアルに及ぶ不正会計が発覚し、会長が辞任。株価が約80%暴落するという危機にも見舞われている。12、13日付現地紙、サイトが報じている。
今回の騒動は、ここ数年間のサプライヤーの会計において「一貫性に欠けた不可解な金銭の動き」が確認され、その額が200億レアル近くに及んでいることが明らかになったために起きた。
これを受け、同社のセルジオ・リアルCEO、アンドレ・コヴレ投資関係部長の2人が11日に辞任した。両者は2日に就任したばかりで、10日足らずで役職を降りることになった。
後任CEOには、同社の理事を長年務め、会計部門には携わっていなかったジョアン・ゲーラ氏が当面の代行という形で就任することになった。
どのような不正が行われていたのかについての詳細は語られていないが、アメリカーナスは「新たな監査担当を据え、この不正会計がどんな影響を及ぼすことになるのか、今後発表していきたい」との見解を表明した。
この発表を受け、翌12日の同社株(AMER3)の市場価値は108億3千レアルから24億5千万レアルにと77・3%、株価にして2・72レアルという、記録的な大暴落を起こした。
アメリカーナスは1929年にリオ州で創立された小売業者で、90年代から2000年代にかけて急成長。2022年には全国で419店舗を展開している。
パウロ・レマン氏を筆頭に、国内の三大億万長者からなる「3Gカピタル」が経営する同社は、2022年の小売業者の売上でカリフール、アサイー、マガジン・ルイーザ、ヴィア・ヴァレージョに次ぐ業界5位を記録している。
消費者保護センター(Procon)は同社に対し、今回の不正発覚が消費者にどのような影響を及ぼすのかについて、90日間以内に説明することを求めている。