ブラジル日本語センター(CBJL、矢野敬崇理事長)は9日、第37回汎米日本語教師合同研修会開講式をサンパウロ市の同センターにて行った。同研修には中南米8カ国から15人が参加。対面形式での開催は2年ぶりとなる。
研修会では自国の日本移民の歴史や日本語教育の歴史、「学習者中心型」の授業方法を学ぶ。研修生同士で汎米地域における日本語教師の役割についてなどの意見交換を行う。
今回の研修会参加者は、ブラジルから5人(パラー州ベレン市4人、サンパウロ市1人)、アルゼンチンから2人、ペルーから2人、ボリビアから2人、コロンビアから1人、チリから1人、パラグアイから1人、ベネズエラから1人。
開講式で挨拶に立った矢野理事長は、自身の経験を振り返りながら「日本語教育は単なる言語を教えることではなく、文化を通して良い人間を育成するための教育であることを忘れないでください」と語った。
来賓の国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長は、「一年の計は元旦にあり」とことわざを紹介。研修生らに学習者主体の授業を学び、今後の活動に活かしてほしいと応援の言葉を送った。
国際協力機構(JICA)ブラジル事務所の江口雅之所長、在サンパウロ総領事館小堤明日香領事からはビデオメッセージが寄せられた。
研修生らは各自が指導する学校の紹介と自己紹介を行った。パラグアイから参加の遠藤ペギーさん(36)は「(現地の)日本語力が下がっていて、なんとかしたいという気持ちから研修に参加しました。教材をどのように使っているかを学び、今後に活かしていきたいです」と話した。
開講式後には食事会が催され、参加者らは日本語教育の課題や意気込みを語り合った。