ルーラ大統領は18日、グローボ・ニュース局の独占インタビューに答えた。そこでルーラ氏は三権中枢施設襲撃事件に関し、軍の一部に不信感を抱いていたことなどを明かした。18、19日付現地紙、サイトが報じている。
ルーラ氏は8日の三権中枢施設襲撃事件について、事件勃発前には水害被災地を見舞うため、サンパウロ州に来ていた。襲撃の可能性については事前に耳にしていたが、「出かける前に状況を尋ねたところ、落ち着いた状況だと聞いていた」と語った。
また、大統領府が襲撃を受けたとの報を受けた際、ルーラ氏は大統領府安全保障室(GSI)のゴンサルヴェス・ジアス長官に電話をかけ、「兵士たちはどこにいるんだ」と訊いたという。
ルーラ氏は「襲撃者たちはドアが開いていたから入り口を壊さずに入っていけた。大統領府内の何者かが彼らのために扉を開けたとしか思えない」と語り、さらに「我々にはGSIもブラジル情報庁(Abin)も陸・空・海軍もあるはずなんだが、存在しなかったようだ」と軍に関する不満を漏らした。
連邦直轄区の治安面への政府介入に関しては、「ジノ法相と話した際、最初は法と治安保障作戦(GLO)適用の話も出た。だがGLOを適用して2018年のリオがどうなったか。ペゾン知事(当時)は飾り物のような存在に堕してしまった。大統領としてそれはできなかった」と語った。
ルーラ氏は襲撃について、「ボルソナロ前大統領は事前に知っていたと思う」との見解も述べた。
これらのルーラ氏の発言を聞いたテメル政権時代のGSI長官セルジオ・エチゴエン氏は、「臆病な物言いだ。これでは平和を維持するのは難しい」と苦言を呈した。
事件後はルーラ氏による軍の更迭人事が進んでいる。17日には大統領官邸の護衛43人、18日にはGSIの兵士13人が解雇された。さらに19日には連邦道路警察の上層部26人が更迭され、連邦警察の州司令官18人が交代となった。