連邦警察「レザ・パトリア作戦」を敢行=暴挙扇動者ら逮捕=爆破未遂事件の解明進む

8日の襲撃事件の一幕(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
8日の襲撃事件の一幕(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 【既報関連】8日にブラジリアで起きた三権の中枢施設襲撃という反民主主義的な暴挙に関与した人物の特定作業が進む中、連邦警察が20日、「レザ・パトリア(祖国侵害)作戦」第1弾を敢行したと同日付伯字サイトが報じた。
 作戦第1弾は8日の暴挙に参加したまたは扇動・資金援助という形で関与した人物の逮捕と家宅捜査を行うもので、内訳は、連邦直轄区が家宅捜査5件と逮捕2件、ゴイアス州が家宅捜査1件、サンパウロ州が家宅捜査7件と逮捕3件、リオ州、ミナス州、マット・グロッソ・ド・スル州は家宅捜査と逮捕各1件ずつだ。20日午前中には8人中4人が逮捕された。
 逮捕者の1人は暴挙の扇動・組織者で、襲撃にも加わったが逮捕を免れていたラミロ・アルヴェス・ダ・ロシャ・クルス・ジュニオル容疑者(通称ラミロ・ドス・カミニョネイロス)だ。
 同容疑者は3日にSNSに掲載したビデオで「近日中に何かが始まる」と語り、「9日以降、ブラジルは止まる」と書き込んでいた。8~9日に現行犯逮捕された人々が一時的に収容されていた体育館も訪問している。
 逮捕令状の対象者達は、民主的法治の暴力的廃止、クーデター、公的資産の損害、破壊行為、犯罪組織形成、扇動、特別に保護されていた財産の破壊・劣化といった罪状の対象とされている。
 連警は8日以降、参加者や扇動者、支援者などの特定作業を続けており、情報提供のための専用メール(denuncia8janeiro@pf.gov.br)も開設している。
 なお、8~9日に現行犯逮捕された人々の取り調べの内容分析は20日も続いている。19日までに分析が終わった1075人中、組織犯罪への参加などが明確な740人は勾留期間未定の予備的勾留に切り替えられた。残りの335人は電子足輪装着後、夜間の外出やSNSの使用、銃携行、容疑者同士の連絡などを禁じられ、定期的に裁判所に出頭するなどの条件下で釈放された。
 連警の捜査は大統領選終了後に始まった反民主主義的な行為全般に及んでおり、幹線道路の封鎖に関与した人物や16日にリオ州で敢行されたウリセス作戦で逃亡中とされた容疑者、昨年12月24日に起きたブラジリアの空港脇での燃料を積んだタンク車爆破未遂の容疑者らの自首や逮捕、事情聴取も続いている。

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