25日、最高裁は8日の三権中枢施設襲撃事件の際に最高裁が襲撃された際の未公開映像を公開した。これにより、軍警の特別機動隊の警護が甘く、襲撃を容易にしたことが判明。内部でも傍聴席の破壊行為などが克明に記録されていた。25、26日付現地紙、サイトが報じている。
8日の最高裁襲撃の際の映像は、事件直後に連邦警察に届けられていた。その内容は10時間以上にも及んでいたという。
今回公開された映像では、警備に当たった軍警の特別部隊が警備を怠り、襲撃者の侵入を容易にしたことが判明し、波紋を投げかけている。
映像では、侵入が起こる少し前の最高裁の前で、軍警たちが盾を持っての隊列と警察車両群で壁を作り、襲撃者たちの侵入を阻止しようと準備していた光景が映し出されていた。防衛線は最高裁の500メートルほど手前に設けられており、パトカー6台とバス1台、トラック1台が使用されていた。
だが、軍警たちは数千人規模の襲撃者たちが近づいているにもかかわらず、催涙ガスを巻くなどの抑制策を講じなかった。その上、別のパトカーで近づいた警官が侵入者らと短い会話を交わした後、警察の一部が申し合わせたようにその場を立ち去り始め、パトカーやトラックもその場から移動した。残った警察官は一握りのみで、車による封鎖も意味をなさなくなっていた。
連邦直轄区の軍警はこの件についてメディアからの質問を受けているが、返答を行っていない。
また、侵入後の最高裁の中では襲撃者による暴力が想像以上に規模の大きなものだったことが示された。彼らは傍聴席の椅子を破壊しただけでなく、火をつける襲撃者や、消火栓に繋いだホースで水を撒き散らす襲撃者の姿も映っている。
また、監視カメラや内部に飾ってあった芸術作品などを破壊する光景も見られた。襲撃者たちは最高裁が襲われる様子を携帯電話で録画し、中にはこの攻撃が神聖なものであるかのように祈りを捧げる人まで存在した。
襲撃者の中には、最高裁判事たちが法廷で使う法衣や、製本された憲法のコピーを盗む者もいたが、法衣を着ていた襲撃者はまもなく逮捕された。
最高裁襲撃は8日の15時25分頃からはじまり、連邦警察の特別部隊などが派遣されたことで鎮静化するまで続いた。
最高裁はすでに、今回の攻撃で受けた損害が590万レアルに及んでいると報告している。今回のビデオが公開される前にも、最高裁判事たちを挑発する言葉などが窓ガラスにスプレー缶で落書きされるなどの行為も報道されていた。
今回の襲撃時に一部の軍警や軍兵士が想定通りの行動をとらず、警備体制が本来の機能を果たさなかったことが襲撃を容易にしたことは重大な問題として見られている。
連邦直轄区の警備部隊が少なく、一部の軍警が職務を放棄し、襲撃の模様を遠くから録画する姿や、陸軍が軍警特別部隊による襲撃者逮捕を妨害し、襲撃者を逃すのを助ける映像などは、三権中枢施設への襲撃直後にも拡散されていた。