２月１日に上下両院で行われる議長選で、現職のアルトゥール・リラ下院議長（進歩党・ＰＰ）とロドリゴ・パシェコ上院議長（社会民主党・ＰＳＤ）の再戦が有力視されている。３０日付現地紙、サイトが報じている。
ブラジルの連邦議会は毎年２月１日が仕事始めで、選挙年の翌年（２年に１度）は議長選も行われる。誰が議長に選ばれるかはその後の議会運営を大きく左右するため、政界の舵取り役として重要視されている。
今回の場合、大統領が極右路線のボルソナロ氏から左派のルーラ氏に変わったため、議長選の行方はかねてから注目されていたが、両院ともに変化なしでいきそうな様相だ。
下院はボルソナロ氏との蜜月も伝えられていたリラ氏だったが、ルーラ氏の労働者党（ＰＴ）はあえてリラ氏に逆らわない方針をとっており、リラ氏のＰＰ、ルーラ政権の協力政党となっている民主運動（ＭＤＢ）、ＰＳＤ、ウニオンといった下院内の大型政党もそれに続いている。
リラ氏の場合、ＰＰとボルソナロ氏の自由党（ＰＬ）、共和者（ＲＰ）といった、保守系の大型野党３党が元の支持基盤であったため、ルーラ政権の多くの党が支持に回ったことで当選が決定的になっている。
こうしたことから、ＰＬが独自候補を立ててリラ氏に対抗しようとしていたが、ＰＬが下院内で孤立することにリラ氏が難色を示し、ＰＬの下議を副議長にすえることを提案。これにより、ＰＬ側が軟化している。
リラ氏は下院第１、第２副議長にＰＲのマルコス・ペレイラ氏、ＰＬのソセステネス・カヴァルカンテ氏かアルティネウ・コルテス氏を据える意向で、その下にウニオンのルシアノ・ビバール氏、ＰＴのマリア・デ・ロザリオ氏をつけることを考えていると言われている。
一方、上院ではパシェコ議長に対する対立候補が上がってきている。それは、パシェコ氏にかねてから反ボルソナロ派の印象が強かったためで、ボルソナロ派の議員たちの間でパシェコ氏打倒の動きが出ている。
ボルソナロ派の議員たちはロジェリオ・マリーニョ氏を候補として擁立しようとしている。現時点ではＰＬ、ＰＰ、ＲＰが同氏を推薦しており、推薦者の中には大統領長男フラヴィオ氏（ＰＬ）、前副大統領ハミルトン・モウロン氏、元人権相のダマレス・アウヴェス氏（共にＲＰ）などが含まれている。
だが、この３党だけでは２３票で、８１人中の過半数４１票には及ばない。これに対し、パシェコ氏は現時点で５５票ほどを獲得すると見られている。
また、パシェコ氏自身もマリーニョ氏擁立に対し、「議長選から手を引かない場合、ＰＬの上議が運営に携われなくなる」と強く牽制しており、議長選後の保守派との対立も気になるところだ。
上院議長選には、エドゥアルド・ジロン氏（ポデモス）の名前も挙がっている。
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