【既報関連】8日の三権中枢施設襲撃後に連邦政府が宣言した連邦直轄区の治安面への介入終了を前に、リカルド・カペリ治安監督官が報告書を提出したと27、28日付現地紙、サイトが報じた。
報告書提出は26日の予定だったが、最高裁が公表したビデオの分析のため、1日遅れた。当日は治安当局の命令系統が機能せず、責任を果たし得なかった事などを記した報告書はフラヴィオ・ジノ法相とアレシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事に渡された。
カペリ氏は、昨年11月~今月8日の出来事は全て、陸軍本部前のキャンプ内で計画、実行されたと断言。一連の出来事には、12月12日の連警ビル襲撃やバス放火などの破壊行為や、同24日に起きたブラジリアの空港脇での爆破未遂も含まれている。
陸軍前のキャンプは大きな台所やトイレ、発電機などもある「小さな街」で「過激派の中枢」となっていた。周辺では窃盗や強盗などが頻発し、不法な商取引も行われていたため、年末に解体が試みられたが、大統領府内の陸軍司令部が抵抗を示したという。
参加者は大統領就任式後に減少したが、襲撃事件前には他州からのトラックなど300台以上が駐車。約4千人が集まっていた。
暴徒達は8日13時頃にキャンプを出発。警官達は途中で武器となり得るビー玉その他の道具の一部を没収したが、14時43分頃、連邦議会前の防衛線が突破された。カペリ氏は、キャンプ出発から防衛線突破までは1時間40分あり、軍警機動隊派遣の時間は十分あった筈だが、実際の現場到着は15時頃で襲撃事件は既に起きていたと語った。
更に、当初の警備計画では防衛線は二重柵で各々が繋がれているはずだったが、実際は1重でバラバラだった事や、過激派は交信用ラジオで指示を出し、一斉に防衛線突破を図るなど、非常に計画的であった事、一部軍警に協力するかの動きが見られるなど、治安当局が正常に機能していなかった事も述べた。
また、連邦直轄区保安局長だったアンデルソン・トレス前法相は6日には事件発生の可能性を知っていたが、何の策もとらず、休暇を前倒しして渡米。8日は複数の軍警大隊指揮官の大佐9人も休暇中で、ファビオ・アウグスト軍警司令官が他の大隊を動かそうとしたが、勤務中の軍警大佐6人の行動は遅く、議会前や最高裁前の防衛線突破を避けられなかったという。トレス氏とアウグスト氏は事件直後に解任され、逮捕されている。
連邦直轄区への治安部隊派遣は4日まで。