トルコとシリアの国境付近で6日未明に発生した大地震とその余震では5千人を超える犠牲者が出ているが、トルコの首都イスタンブール在住のブラジル人サッカー選手が現地の模様を語っている。6、7日付現地紙、サイトが報じている。
ウィリアン・アロン(30)は2010年代後半、フラメンゴのボランチのレギュラー選手として活躍。ブラジル代表にも選ばれた経験があり、2019年にはフラメンゴの南米一のタイトル獲得にも貢献していた。
彼は現在、トルコのイスタンブールの名門フェネルバフチェでプレー中で、6日の大地震も目の当たりにしている。震源地はトルコ南東部でマグニチュード7・8は1939年以来、最大を記録。既にトルコだけでも3千人以上、シリアとの合計で5千人以上が亡くなっているが、死者は8倍にまで増える可能性があるとも報じられている。
アロンは現地の様子を「前例のない事態で愕然とするような情報を受け続けている。だが、トルコ人は愛国心に溢れ、皆で助け合おうとしている」と語っている。彼によると、被災地の住人たちは生き埋めになった人たちの救出作業を懸命にやっているという。
アロンは、「トルコでプレーしているサッカー選手や彼らの家族も生き埋めになっている。とてつもない悲劇だ」と語っている。
同国南部アンタキヤに本拠地を置くチーム、ハタイスポル所属で、ガーナ代表のフォワードとして2014年W杯にも出場したクリスチャン・アツ(31)は地震発生直後から消息がつかめなくなり、世界のサッカー・ファンを不安にさせたが、7日に瓦礫の下から負傷した状態で救出されている。
「今の僕ができることは、被害にあった人たちのために祈りを捧げ、救出作業で可能な限り多くの人たちが救出されることを祈ることだけ。状況はそれくらい絶望的だ」とアロンは語っている。