フェルナンド・ハダジ財相(労働者党・PT)は13日、最低賃金の額や所得税の課税基準変更に関しては、既にルーラ大統領(PT)と検討段階に入っており、債務返済の再交渉を定めるプロジェクトなども進めていることを明かした。13、14日付現地紙、サイトが報じている。
これは13日にハダジ財相がブラジリアで開催されたPTの役員会の中で明らかにしたものだ。同財相によると、大統領はカーニバルの前後にも最低給与や所得税などに関する発表を行うつもりでいるという。
また、債務返済再交渉のプロジェクト「デゼンローラ」も近日中に発表されるという。
最低賃金額は1320レアルへの引き上げが年間予算案に盛り込まれているが、政権移行班によると、憲法補足案の審議で認められた68億レアルでは1320レアルへの引き上げは不十分と判明。1月1日からは、昨年12月にボルソナロ大統領が出した暫定令(MP)が定めた1302レアルを適用している。
ハダジ財相は前12日に、国立社会保障院(INSS)から年金を受けている人の数が急増したため、計算をやり直している最中だと語った。年金受給者の多くは1最低賃金を受け取っており、わずかな金額の引き上げでも総額では莫大なものになる。
ルーラ大統領は自然人への所得税(IRPF)の課税率に関し、毎月の所得が5千レアル未満の人は免税としたいと考えている。これは大統領選のキャンペーンでも主張してきたことだが、現行基準では月収1900レアル未満の人だけが免税となっている。
最賃額は1月の段階で、5月までは現行額を継続と発表されていたが、ルイス・マリーニョ労働相は12日、最低賃金は5月1日から1320レアルに引き上げられる予定だと語っている。
他方、債務返済の再交渉のための連邦政府主導のプログラム「デゼンローラ」は、給与が最低賃金の2倍以内の人、約4千万人が対象となる見込みだ。ブラジルでは現在、78%の家庭が負債を抱えており、29・9%は債務不履行状態との数字が出ている。
グローボニュースが1月に報じたところによると、このプログラムは債務を負った人が不履行になった場合に債務者の債務を履行するために連邦政府が使うファンドだという。
このシステムによって銀行への負担が軽くなることから、連邦政府は金融機関の関心も高まることになると考えているという。これもルーラ氏が大統領選のキャンペーンで公約に掲げていたものだ。
ハダジ財相は13日の会合で経済基本金利(Selic)についても尋ねられたが、現在対立中のルーラ大統領と中央銀行の仲を悪化させたくないとし、「次の通貨政策委員会(Copom)で一気にSelicが下がることを求めすぎてはならない」との見解を語った。
16日はハダジ財相とシモネ・テベテ企画相、カンポス・ネット中銀総裁が初の国家通貨審議会(CMN)を開き、インフレ目標などを議題とする予定だが、中銀総裁は既に目標変更に伴う悪影響への懸念を表明している。