13日、ブラジリアで労働者党(PT)の結党43周年記念式典が開催された。この式典では、メンサロン事件で実刑判決を受けた元官房長官のジョゼ・ジルセウ氏が復帰し、ルーラ大統領から祝福される一幕も見られた。13、14日付現地紙、サイトが報じている。
今年のPT結党記念日は、PTが政権を取り戻して最初のものだ。こうしたことから、ルーラ氏の発言にも、政権を追われた月日への不満が強く反映された。
ルーラ氏は「PTはクーデター(ゴウピ)によって政権を失い、ジェノシダ(大量殺人者)の政権中は多くの罪のない人の命がパンデミックで奪われ、餓えた人たちが町にあふれ、ヤノマミ族の危機も見られるようになった」とボルソナロ政権を批判した。
さらに、「嘘で溢れ返る状況の中での選挙に勝って、政権を取り戻した」「銀行家も企業も労働者も勝つ時代が戻ってきた」と主張した。
今回の式典で注目されたのはジョゼ・ジルセウ氏の復帰だった。PT草創期からの中心メンバーの一人で、2003年からの第1期ルーラ政権では官房長官もつとめた。だが、2005年、メンサロン事件の主犯と目されて失脚。2012年には実刑判決を受け、刑に服した。その後はラヴァ・ジャット事件でも逮捕された。
ジルセウ氏はメンサロンでの刑期を終え、ラヴァ・ジャットではセミ・アベルトの判決となっている。また、既にアルトゥール・リラ下院議長との打ち合わせも行うなど、政治活動も再開させている。
ジルセウ氏は久しぶりのPTの公式行事となる記念式典に姿を見せ、後方の椅子に腰掛けていた。ルーラ氏はジルセウ氏のことに触れ、「ジョゼ・ジルセウよ。君には感謝している。私のたどった道のりに君がどれだけ尽くしてくれたか、私はよく知っている」と発言し、同氏をたたえた。