ルーラ、住宅政策MCMVを復活=月収8千レ以下の世帯対象=女性家長の家庭を優遇へ

イベントでのルーラ大統領(Joédson Alves/Agência Brasil)
イベントでのルーラ大統領(Joédson Alves/Agência Brasil)

 ルーラ大統領は14日、住宅政策「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィーダ(MCMV)」を復活させる暫定令(MP)に調印した。このMPでは、世帯収入が月8千レアル以下の人に住宅を持つ機会を与えられることになる。14、15日付現地紙、サイトが報じている。
 MPへの調印は、バイア州サントアマーロで行われたMCMVの再開を宣言するイベントで行われた。同市には2016年にジウマ政権が終了して以来、建築が中断したままのMCMV向け住宅があり、この日は、建築再開で完成した684軒の住宅が納入された。
 大統領は同日、バイア、ゴイアス、ミナス・ジェライス、パライバ、ペルナンブッコ、パラナの6州で2745軒の住宅の鍵を入居者に手渡した。これらの住宅への投資総額は2億690万レアルで、サントアマーロではアパート684軒が提供された。
 復活したMCMVの対象は三つに分けられており、(1)月収2640レアル以下(22640)、(2)2640・01~4400レアル、(3)4400・01~8千レアル以下となっている。2640レアルというのは5月に調整される予定の最低賃金1320レアルの2倍だ。
 ボルソナロ政権では2020年に「カーザ・ヴェルデ・エ・アマレラ」というMCMVの代替政策が導入されたが、この政策の予算は年々削られた上、月収2千レアル(後に2400レアル)以下の最も所得の少ない層は途中から対象から外されることとなった。
 今回のMCMVの目玉はこの層向けの住宅の復活で、ルーラ政権では最大で50%までの家を(1)の世帯層に提供したいと考えている。この所得層の家庭への補助金は、住宅価格の85~95%となる予定だ。
 また、農村地区対象のMCMVは、(1)年収3万1680レアル以下、(2)3万1680・01~5万2800レアル、(3)5万2800・01~9万6000レアルとなっている。
 申し込み者の優先順位は、「女性が家長の家庭」「障害者、高齢者、子供や青年のいる家庭」「経済な危機や不安定な状況にある家庭」「自然災害で非常事態・緊急事態宣言が出た地域の家庭」「連邦政府の建設事業で立ち退きを強いられた家庭」「路上生活を送る家庭」となっており、申込者の名義が女性の場合が最優先される。
 また、新たに契約する住宅は、商業・サービス・公共施設により近い場所に建築される予定だという。
 大統領が同日のイベントで語ったところによると、任期末の2026年12月までに契約目標数は200万軒で、「今日この瞬間から、ブラジルでは大きな歯車が回り出す」と発言。契約目標数の中には、前政権で工事が中断した家屋なども含まれている。
 MCMVは持ち家購入という夢を叶えるだけでなく、州や市と提携して事業を進めることで雇用を生み出し、経済を活性化する効果があり、ルーラ政権にとって大きな鍵を握る政策の一つであることも強調された。

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