サンパウロ州北部海岸サンセバスチャン市における土砂災害を受けて、23~24日、国際協力機構(JICA)専門家の越智英人(おち・ひでと)さんが、ワルデス・ゴエス統合地域開発大臣率いる現地ミッションに参加して今回の災害の発生状況を視察し、同省技術者らと意見交換を行った。
越智さんはJICAが実施する技術協力プロジェクト「強靭な街作りのための土砂災害対策能力向上プロジェクト」により当地に派遣されている。
同プロジェクトは2020年から5年間の予定で実施中。統合地域開発省をカウンターパートとし、砂防構造物の特性や施設配置計画、施工管理、維持管理方法の理解、砂防構造物の設計、施工管理、維持管理にかかる技術マニュアルの作成と普及、パイロット地域における砂防ダムの試行建設等を行う。
今回現地では災害発生現場の斜面の状況や家屋の建設状況、土砂災害を防ぐための緩衝地帯の確保状況について確認した。その結果、応急対応が急がれていることが分かった。これまでにも類似した災害ケースが存在し、復旧対策も従来の方法で着実に取り組んでいくことが必要とみられている。
JICAでは「被害に遭われた方々の早期の御快復と被災地の一日も早い復旧復興をお祈りするともに、我が国が培ってきた防災分野における知識、ノウハウを活用し、引き続きブラジルにおける災害対策に協力していきます」とのコメントを出している。