2日付G1サイト(1)によれば、ルーラ大統領(労働者党・PT)は大統領府での式典で2日、社会格差是正を目指す新「ボルサ・ファミリア(以下BF)」開設の暫定令(MP)に調印した。ボルソナロ政権時代には「アウシリオ・ブラジル」と改名し、600レアルまで一時増額していた。ルーラ氏は受給違反の厳しい取り締まりを呼び掛けた。
フォーリャ紙2日付(2)によれば、連邦政府の見積もりでは6月には平均715レアルが、2080万世帯に支払われる予定。連邦歳出には約1750億レアルの出費となる。
BFはルーラ第1次政権(2003〜06年)で「飢餓ゼロ」計画の一環としてはじめられ、極貧家庭を対象とした格差是正政策だ。PT政権の終焉後も継続され、ボルソナロ政権の2020年に「アウシリオ・ブラジル」に改名。ルーラ氏の大統領への返り咲きが決まった時点で名称復活が予想されていた。
新BFは、一人当たりの収入が218レアル以下の極貧世帯に支給される。一人当たりの受給額は142レアル以上で、20日から支払いが開始される。
新BFでは、前政権時代に上げられた「一世帯あたり600レアル」が維持される。6歳以下の子供を抱えている場合は人数に応じて150レアルが追加される。7歳から18歳までには一人当たり50レアルが追加支給。妊婦にも50レアルが追加支給される。
ルーラ政権復帰後、不正受給の報告が行われており、ウェリントン・ジアス社会援助開発相が問題視する発言も行っていた。そのため受給するには、貧困家庭データベース(Cadastro Único)の登録情報を更新する必要がある。
受給条件には、4~5歳児の最低就学率60%以上、6~18歳の子供なら75%以上、妊婦の場合は出生前ケア、家族全員が予防接種記録を最新に保つなどがある。
ルーラ大統領も2日に行われたイベントの席で、「本当に助けを必要としている極貧の人たちへの支払い」であることを強調。暫定令は官報掲載時から有効だが、120日以内に連邦議会で承認されないと無効になる。