財相、債務交渉アプリ近く公開へ=低所得層向け「デスエンホーラ」=不履行債務500億レを解決

フェルナンド・ハダジ財務大臣(Foto: Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
フェルナンド・ハダジ財務大臣(Foto: Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 6日付コヘイオ・ブラジリエンセ・サイト(1)と7日付ノティシアス・コンクルソス・サイト(2)によれば、6日に大統領府でルーラ大統領(PT=労働党)と会談したフェルナンド・ハダジ財務大臣は、低所得層向け債務再交渉プログラム「デスエンホーラ(「解く」の意)」はアプリのシステム開発段階に来ており、大統領がシステム設計を承認したので近日中に公開できる予定だと述べた。だが日付は確定していない。
 ブラジルでは現在7千万人以上が負債を抱えており、パンデミックによる経済活動停止により国内のあらゆる地域で債務不履行率が上昇中だ。銀行での負債者は少数派で、大半はクレジットカードに加え、電話、電気、上下水道などの公共料金に債務を負う。大部分が最低賃金2倍分までの所得層だ。
 デスエンホーラは昨年の選挙におけるPTの主要な選挙公約の一つで、ボウサ・ファミリアの受給者を含む、この最低賃金の2倍までの所得層に対し、政府保証を裏付けとして5千レアルまでの債務再交渉をする機会を与えるものだ。同財相によれば、このプログラムでは、すでに債務不履行に陥っている3700万納税者の推定債務500億レアルを再交渉するのに必要な国庫保証の基金は100億レアル程度だと見積もっている。ただし、引き当て財源はまだ発表されていない。
 このプログラムは暫定令(MP)で発表されるので連邦議会で承認される必要がある。正式な開始時期について大臣は、「大統領はシステムの準備がしっかりと整う前に開始することを望んでいない」と述べた。同アプリはブラジル銀行連盟(Febraban)の精査を既に通過したという。
 財相は「公的機関の信用や負債ではなく、銀行や公共施設等運営業者、金融機関などの民間負債が多く含まれている。債務の割引率が高いほど、債権者が債務者から返済を受けるチャンスが増えるようなシステムを確立しなければならない」と付け加えた。
 さらに財相は「債務交渉が終わればクレジット市場が復活する。これに銀行金利の低下が伴えば、消費と投資を再び増やせる」との見通しを説明した。

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