州議が『我が闘争』掲げて演説=ナチス擁護か批判か、波紋呼ぶ

 マット・グロッソ・ド・スル州議会の本会議場でヒトラーに関する演説を行う州議が現れて波紋を呼んでいると7日付フォーリャ紙サイト(1)などが報じている。
 問題となった議員は、ジョアン・カタン州議(自由党・PL)で、7日の本会議場で演台に立った際にヒトラーの著作『我が闘争』を右手に掲げて演説した。その様子を編集した動画がSNSで拡散され、波紋が広がっている。
 カタン州議は、州議会の大半がエドゥアルド・リエデル知事(民主社会党・PSDB)の支持で、野党としていかに行政府の情報アクセスが難しいかを主張。そこで『我が闘争』を取り出して、ヒトラーがドイツの議会に対して行ったことと類似していると批判した。
 さらにカタン氏は『我が闘争』を持ち込んだことに関し、「すごく怖かった。それはヒトラーよりも独裁的な裁判官が販売を禁じているからだ」と発言した。ブラジルでは、ナチズム礼賛やナチスのシンボル使用やその体制の宣伝をすることは、法律により罰せられ懲役刑が科せられる犯罪だ。
 カタン氏は、「自分はナチスを批判したのであり、擁護したのではない」との反論を行なっている。
 カタン州議は昨年5月、銃携行に関しての投票の際、射撃場から銃弾を3発撃ちながら銃携行の必要性を説く行為を、リモート投票と共に行って問題となっていた。
 また、カタン州議はかねてからリエデル知事の政敵と目されており、昨年10月の知事選の際には、カタン氏が「州議会の場をリエデル氏のネガティブ・キャンペーンに利用した」として、リエデル陣営が同氏の州議再選取り消しに動いたこともあった。

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