ニコラス下議=下院でトランスを批判=国際女性デーでの演説で

 国際女性デーの8日、保守派ユーチューバーとしても有名なニコラス・フェレイラ下議(自由党・PL)が、女性への顕彰を目的とした下院のイベントで、性転換を行ったトランスの人たちを侮辱する言動を展開。罷免を求める声が出、最高裁への告発も行われた。8日付フォーリャ紙サイト(1)などが報じている。
 ニコラス下議はこの日、国際女性デーに関する演説を行うために演台に立つと、金髪のロングヘアのかつらを取り出して頭に乗せ、「今日の私はニコーレという女性下議だ」と発言。そして「女性諸君は、自分のことを女性だと思っている男性に立場を奪われている。それに危険を感じないのか。彼らは非現実的なことを現実に変えようとしているんだぞ」とまくし立てた。
 場内での批判はこの時点で既に高まっていたが、同下議はさらに「賛同しないと、すぐにトランス嫌悪だ、同性愛嫌悪だ、偏見持ちだと言って批判されてしまう」と続けた。
 ニコラス下議のこの言動に対し、タバタ・アマラル下議(ブラジル社会党・PSB)は、「ブラジルはトランスの殺人事件が世界で最も多い。2位のメキシコの2倍以上ある。そのことをわかっているのか」と問い詰めた。
 PSBはブラジル共産党(PCdoB)や社会主義自由党(PSOL)、民主労働党(PDT)と共に、倫理委員会にニコラス下議への罷免請求を出すことを決めている。
 また、トランス下議のエリカ・ヒルトン氏(PSOL)は、「ボルソナロ氏の戦略やトランス嫌悪は過去のもの」とニコラス下議を批判。今回の言動後、最高裁に対して二つの訴状を提出している。ニコラス氏は142万人のユーチューブのフォロワーを持つボルソナロ前大統領支持者として知られており、昨年の下議選当選前から有名だった。
 ニコラス氏は既に、トランス下議、ドゥーダ・サルベルチ氏(PDT)からも同様の発言で訴訟を起こされている。

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