国際協力機構(JICA)とサンパウロ州政府は14日、治安、防災、農業、環境管理(基本衛生、エネルギー、気候変動対策)、インフラ、保健医療分野における連携強化覚書を取り交わし、調印式を南部のサンパウロ州庁舎バンデイランチス宮で行った。
JICAとサンパウロ州政府は2012年に治安、防災分野における協力関係強化覚書を交わしていた。昨年2月に覚書の更新をサンパウロ州国際局が提案し、JICAがこれまでの協力実績を踏まえ、4分野を新たに加えたより包括的な覚書を起草し、締結に署名に至った。今後、6分野で作業班が組織される。
調印式にはJICA本部の宮崎桂理事、タルシジオ・デ・フレイタスサンパウロ州知事らが出席した。
JICAは60年以上にわたって、サンパウロ州へ経済及び社会発展の支援を行い、JICAが中南米地域で地方政府と覚書を交わしているのはサンパウロ州のみだという。宮崎理事は「サンパウロ州はブラジルの社会、経済活動において非常に重要な役割を担っている。政府関係機関の行政能力も高く、中長期的な開発計画に対しても高い理解力と実行力がある。将来的には更に協力分野を増やしていきたい」と述べた。
タルシジオ知事は「日本の先進的な技術知識がサンパウロ州の各分野に伝われば、大きな恩恵を得ることが出来る」と話した。
また、両氏は世界最大200万人の日系社会を有するブラジルにおいて、日系人口の最も多いサンパウロ州の日系社会が、日本との関係構築に重要な役割を果たしていると感謝を語った。