新型コロナの集計で混乱=弱者のための警戒継続を

5~11日のデータ込みで更新されたConassの公式サイト

 新型コロナの感染状況に関するデータが3日以降、日次集計ではなくなった。日次集計停止は当初、保健省が発表。同省は同時に8日から週次集計の発表を開始するとしていたが、実際には、既に公表済みだった3日の数字を7日に公式サイトに掲載しただけで、8日に更新はなかった。10日には全国保健局長審議会(Conass)が集計した4日現在のデータを使って更新とした上、3~4日の24時間の死者34人が1週間の死者のように見えるグラフを掲載し、批判を招いた。
 Conassも3日、日次集計掲載開始から1千日が経過したことと保健省と歩調を合わせるため、感染状況の週次集計化を発表した。Conassは7日に4日現在の数字を更新し、14日には11日現在の数字を更新。日曜日から土曜日までという感染学上の1週間単位での集計を継続している。
 1週間単位での集計は新型コロナ以外の報告義務のある病気の集計方法に則っているらしく、日本が5月から5類感染症に変更する事に準じた変更と思えなくはない。だが、回復者数や観察下にある人の数を含めた動きがつかめなくなり、感染者が増加傾向にあるのかなどの判断が難しくなった。

感染者と死者の週毎の推移(Conassの公式サイトより)

 幸い、14日にConassが更新したデータによると、5~11日の新型コロナの新規感染者は6万450人、死者は328人で、感染者は2月26日~3月4日の6万2055人を、死者も前週の364人を下回った。新たに始まった予防接種キャンペーンが奏功し、年末年始やカーニバルで生じた感染拡大が落ち着くよう真剣に願わされる。
 他方、多くの場所でマスク着用義務が解除される中、感染・重症化リスクの高い人がマスクを手放せないと語り、自分達のためにも感染予防策を継続するよう求める姿も報じられている。弱い立場の人達を守る姿勢は、リスクの少ない人を守ることにもつながる。
 強い立場の人が全体を引っ張るのが効果的な時もあるが、病気や社会福祉などでは弱い立場の人に焦点を合わせて全体の状態を押し上げないと、車に乗り遅れ、振り落とされる人達が出てくる。自由に振る舞いたいとの思いも山々だろうが、今しばらくは、皆が手を取り合って現状を乗り越えるよう望みたい。(み)

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