2022年の国勢調査(現在も見直し作業中)の結果、ブラジリアから35キロのソル・ナセンテのスラム街(ファヴェーラ)の人口はリオ市ロッシーニャのスラム街の人口を超え、国内で最大となったと17日付G1サイト(1)やValorサイト(2)、18日付TVブラジル(3)(4)などが報じた。
国勢調査は10年毎に行われていたが、2020年は新型コロナのため、2021年は予算上の問題などで、2022年に実施された。だが、聞き取り調査は思うように進まず。期間延長後の12月になっても調査が終わらず、一部地域での調査は2月末まで続いた。それでも、調査できた数は期待値を下回る1億8926万1144人で、22年12月28日現在の推計値の91%に過ぎない。IBGEは4月末までかけて集計結果の見直し作業を行っており、今回発表された予備集計の結果も、修正される可能性がある。
スラム街関連のデータは全国のスラム街を取りまとめているファヴェーラ統一センター(Cufa)などの協力を得てまとめられたもので、最近までセイランジアの一部とみなされていたソル・ナセンテのスラム街の世帯数は2010年比で31%増の3万2081、住民数は29・7%増の8万7184人とされた。
これに対し、ロッシーニャの世帯数は20%増の3万955、住民数は2・8%減の6万7199人となっている。リオ市のスラム街での調査は同市の研究機関のペレイラ・パッソス研究所(IPP)とパートナーシップを組んで行われた。
IBGEによると、同院がサブノーマル・クラスターと呼ぶスラム街では、国勢調査に参加していない人が約9%いるという。
予備集計での10大スラムと世帯数は、ソル・ナセンテ、ロッシーニャ、リオ・ダス・ペドラス2万7573世帯(リオ市)、ベイル/タンクレード・ネヴェス2万210世帯(バイア州サルバドール市)、エリオポリス2万16世帯(サンパウロ市)、パライゾポリス1万8912世帯(サンパウロ市)、ペルナンブエス1万8662世帯(サルバドール市)、コロアジーニョ1万8331世帯(マラニョン州サン・ルイス市)、シダーデ・デ・デウス/アルフレッド・ナシメント1万7721世帯(アマゾナス州マナウス市)、コムニダーデ・サンルカス1万7666世帯(マナウス市)となっている。
また、17日付Valorサイト(5)によると、全国のスラム街は1万3151カ所で、総世帯数は580万、住民総数は1790万人。連邦自治体と想定すると、全国で3番目に大きな州となる。スラム街では個人企業家なども多く、経済活動の規模も2千億レアルを超えているという。