「国際人種差別撤廃デー」の21日、コンサルティング会社のトゥリーリャス・ダ・ディスクリミナソン・ラシアルが、黒人女性の86%は職場での人種差別経験者という調査結果を発表したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
国際人種差別撤廃デーは、1960年に南アフリカで起きたアパルトヘイトに対する平和的な抗議行動参加者69人が虐殺された事件を記念し、1966年に制定された。
同日発表されたのはソーシャルネットワークLinkendinを使い、2021~22年に19~55歳の女性155人に対して行った調査の結果だ。50・3%は高等教育や専門教育を受けており、13・5%は大学院卒、24・5%は大卒だ。職種は教育や人事、広報、管理、テレマーケティング、情報技術(IT)やシステム分析、商業だった。
同社社長で研究者のジュリアナ・カイゼル氏は、「調査対象者は学歴もある正規雇用者で、高学歴者は人種差別を受けないとの神話は崩れた」と語った。
70%はアフロヘアや編み込みをしている理由を訊かれ、68%は掃除婦と間違われたり、職場の掃除を命じられたりした経験がある。ビデオ面接で肌の色や住んでいる場所を訊かれた人は半数を超え、書類審査で高評価を得たがビデオ面接の担当者(大半は白人女性)に評価を落とされた人もいた。また、大学院出で10年間務めていても役職に就けない、同じ仕事をしている白人同僚より月給が安い、同僚より頑張っても給与は上がらず、生活維持もままならないという人もいる。
カイゼル氏は、連邦大学の学生の52%は黒人系だが、企業ではこの割合が崩れることにも言及。20年のEthos研究所の調査では、国内の大手500社の従業員中の黒人女性は9・3%、役職者は0・4%だった。
人種差別は黒人男性に対しても起こる。21日付アジェンシア・ブラジル(2)はヴァルミル・アスンソン下議(労働者党)が、3年前、SNSで「猿」と呼ばれた件でバイア州イタマラジュの女性店主から賠償金を受け取ったと報道。同下議は賠償金が国際人種差別撤廃デーに振り込まれたことに言及し、賠償金は障害者の親と友人の会(Apae)に寄付すると発表した。