時事通信サンパウロ支局の市川亮太支局長(50歳、北海道出身)が25日に離任するのに合わせ、田中健吾さん(53歳、埼玉県出身)が今週着任した。21日に離着任の挨拶のために編集部を訪れた。
市川さんは2004~08年、17~23年の2回、計10年間も異例の南米特派員生活を送った。「1回目の最後は日本移民百周年の年の3月で、これから記念行事が本格的になるというところで、本当に残念だった」と思い出す。
今回は「アマゾン奥地の先住民集落に何回か取材に行き、まったく都会とは違う論理で動いていることに刺激を受けた」という。「80歳を過ぎてからセアラー州奥地にいちじく作りをするために入植した木村一家を取材した際、すごい人がいるなと大変印象深かった」と振り返った。
一方、田中さんは2002年からのベルギー・ブリュッセル支局勤務を皮切りに、米国ニューヨーク支局、オーストラリア・シドニー支局で計12年半を過ごした。思い出深い取材を尋ねると「ブリュッセル時代には旧共産圏の国々がEUに加入した。ヨーロッパが一つになる歴史的な瞬間だった」と真っ先に挙げた。
市川さんは今後、東京本社の外信部デスクに。田中さんはその役職から入れ替わりに特派された。