肺炎で中国訪問や首脳会談などを延期していたルーラ大統領(労働者党・PT)の訪中が4月11~14日に決まりそうで、ロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)も同行するよう誘っている。29日付G1サイト(1)などが報じている。
本来ならルーラ大統領の訪中は25日に行われる予定だった。だが、その直前に大統領が軽い肺炎を患ったことで26日に延期。だが、それでも体調回復が思わしくなく、無期延期となっていた。
大統領は28日に大統領官邸で行った会議の席で、4月11日に訪中する予定と発表した。また、当初の予定でも同行するはずだったパシェコ上院議長にも訪中団に加わるよう、求めた。
大統領官邸での2時間30分ほどの会議にはルーラ、パシェコ両氏に加え、アレッシャンドレ・パジーリャ渉外室長官(PT)、連邦議会政府リーダーのランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)、上院政府リーダーのジャッケス・ヴァギネル上議(PT)も参加した。
この会議では中国行きの話より、連邦議会での審議が滞っている暫定令(MP)29件の処理についてが中心だった。
11日に訪中との話はまだ調整中だが、この日程通りなら、中国での滞在期間は12~14日になりそうだ。
今回の訪中延期はブラジル企業にとっても痛手となっていた。国内を代表する企業の代表はルーラ大統領に合わせて訪中する予定だったが、結局、大統領抜きで訪中を強行せざるを得なかった。また、大統領の調印が得られなかったため、29項目の二国間協定が正式に結ばれず、保留されたままとなっている。
だが、CNNブラジルなどが29日に報じたところによると、それでも20以上の民間協定が結ばれたという。
鉄鋼大手のヴァーレは中国の七つの企業等との契約に成功。さらに中国商工銀行(ICBC)と信託に関する提携関係をより強化する協約も結んでいる。
製紙・セルロース大手のスザノも、中国企業と三つの契約をまとめた。その中にはセルロースなどを輸送する船舶5隻の建造などが含まれている。また、BMVグローバル社も二つの契約を結び、中国と伯国の間での生物多様性の商業的なプラットフォーム確立などで協力しあうことになった。
また、24日に「BRICS銀行」とも呼ばれる新開発銀行(NDB)の総裁に選ばれたジウマ元大統領も28日、同行の本社がある上海を訪れ、会議に参加するなどして、早速、総裁としての業務を始めている。
ジウマ氏はブラジル、中国、インド、ロシア、南アフリカからなるBRICSをはじめとした新興国におけるインフラや開発事業などに関して、大きな責任を負うことになる。任期は2025年7月までとなっている。