【既報関連】27日にサンパウロ市西部の州立校で起きた13歳の男子生徒による死傷事件に関し、警察が29日、生徒2人の関与を捜査中であることを明らかにした。また、サンパウロ州の州立校生の69%は校内で中・高レベルの暴力行為が起きていると考えていることが分かったと29日付G1サイト(1)、アジェンシア・ブラジル(2)(3)(4)が報じた。
在校生2人が関与した疑いがあることは、同件担当のマルコス・ヴィニシウス・レイス警部が明らかにした。
捜査対象となっている生徒の一人は、事件当日、登校した男子生徒と共にトイレに行って言葉を交わした後、教室に向かった。男子生徒が犯行に及んだのはその直後で、在校生を追うようにトイレを出た時には既に、覆面と帽子を被り、刃物を手にしていたという。
もう一人の在校生は犯行に及んだ男子生徒の級友で、SNSへの投稿で男子生徒を扇動し、犯行を促した可能性があるという。
犯行に及んだ男子生徒は人種差別や暴行、殺人、殺人未遂の罪で告発されている。
29日はサンパウロ市中央部レプブリカ広場の州教育局前で、サンパウロ州公的教育教員組合(Apeoesp)による抗議集会が開かれ、同件で死亡したエリザベッテ・テンレイロ氏(71)など、学校内での暴力事件で犠牲となった人達を顕彰するひと時も持たれた。
白い風船とバラを手にした教師達は音楽や追悼の言葉に合わせ、州立校教師の勤務状況の改善と校内の安全性向上を求めた。参加者達のシャツには「本はOK、武器はNo」と書かれ、州教育局が提唱した警官によるパトロールでは教室で直面する暴力事件増加は解決できないとの思いを表現。教師達は今回の事件は起きるべくして起きたと考えている。
ロコモティヴァ研究所が同組合と1月30日~2月21日に行った調査によると、州立校生の69%と教職員の68%、生徒の家族の75%は校内で中・高レベルの暴力行為が起きていると回答。
暴力行為が起きていると感じる生徒は市中央部64%、郊外(周辺部)74%で、地域差がある。教職員では39%対89%、家族の間では68%対80%だった。学校での暴力行為を見聞きした生徒は71%、教師は41%、家族は73%となっている。