欧州歴訪中のルーラ大統領は25日のポルトガル共和国議会での演説後、スペインに到着と同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)(5)などが報じた。
欧州歴訪の目的は欧州諸国や欧州連合(EU)との関係修復で、リベリア半島を欧州への再接近の鍵と見た外務省はポルトガルとスペイン歴訪を欧州との関係修復への第一歩とした。両国は重要な交易相手国であり、スペインは米国に次ぐブラジルへの投資国だ。
大統領一行は20日夜、ブラジルを発ち、21日にリスボンに到着。22日には両国の宇宙研究機関や映画会社同士、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)と複数の省庁間のパートナーシップに関する覚書、ポルトガルに住むブラジル人やブラジルに住むポルトガル人を考慮した基礎・中等教育における同等性の研究関連の協定、エネルギーや地質学、鉱業の諸分野における覚書など、13件の署名が行われた。外務省は運転免許の相互承認に関する協定や障害者の権利に関する覚書、観光分野における覚書、感染症の世界的流行抑制のための宣言にも言及した。
現地では企業家との会談や同国に住むブラジル人への差別に関する協議なども行われ、国家輸出振興庁(Apex)のリスボン事務所開設も約束された。
24日にはポルトガル語の文学作品に対する最高賞のカモンエス賞授賞式が行われ、2019年に受賞が決まりながら授賞式が実現していなかったシコ・ブアルキが満面の笑みで式に臨んだ。
また、25日にはポルトガルの議会で演説を行い、両国間の関係強化を訴えた他、ロシアによるウクライナ侵攻を「領土保全侵害」と非難。ルーラ氏は21日に外交顧問のセルソ・アモリン氏のウクライナ派遣を決めており、ポルトガルではウクライナからの書簡も受け取っている。
ポルトガル訪問は議会での演説で全日程を終了。現地時間25日11時30分(ブラジリア時間7時30分)にスペインに向けて出立し、現地時間13時30分(ブラジリア時間8時30分)にマドリッドに到着すると、現地時間17時には組合関係者、同17時50分には両国企業家との会合に臨んだ。
スペインでは高等教育機関に関する覚書やブラジル労働省とスペイン労働経済省間の合意など、4件の協定への署名が行われる予定だ。