年に1度のBRICS首脳会議が南アフリカのヨハネスブルグで8月22~24日行われる。会議開催を前に19カ国からBRICSへの加盟申請が行われ、BRICSでは加盟国拡大に関する会議を6月に開催することになった。25日付グローボ紙(1)などが報じている。
加盟国拡大に関する会議は6月2~3日に南アフリカのケープタウンで行われることになっている。加盟国の拡大は昨年の首脳会議のホスト国だった中国が提案したもので、それ以降、19カ国が加盟を申請しており、中国以外の加盟国の間で懸念が広がっているという。
南アフリカ共和国のアニル・スークラルBRICS担当大使によると、現時点の加盟希望国にはイランやサウジアラビア、アルゼンチンなどが含まれているという。また、13カ国は正式に加盟申請しているが、残る6カ国は非公式な形での申請だという。6月の会議にはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの外相が参加し、話し合う予定だ。
BRICSは現在、国際的な経済成長においてG7より貢献しているというデータも出ており、加盟拡大の行方が注目されている。
アレッシャンドレ・パジーリャ渉外室長官(労働者党・PT)はこの報を受け、「ルーラ氏やジウマ氏のリーダーシップにとって重要となる」と語っている。ルーラ氏はBRICS内でのドルに代わる通貨流通を提唱し、ジウマ氏は「BRICS銀行」とも呼ばれる新開発銀行(NBD)の総裁となっている。
だが、その一方、中国以外のBRICS加盟国は、加盟拡大により、グループ内で中国の権限が強まり、均衡が崩れてしまわないかを危惧していると言われている。現状、中国のGDPは他の4カ国の総計の倍以上の規模になっている。
また、ロシアの立場も微妙で、一部報道ではプーチン大統領がウクライナ侵攻の責任を問われて逮捕されるのを恐れ、8月に開催予定のBRICS首脳会議に欠席するのではないかと言われている。これまで寛容な発言を続けていたルーラ大統領も、ここに来てウクライナ侵攻を批判する発言を始めている。