【既報関連】16歳になったばかりの女性と結婚し、義母を文化観光局局長に任命するなどして縁故採用疑惑を騒がれたパラナ州の市長が、義母とその姉妹を解任したと26日付G1サイト(1)が報じた。
問題の市長は、パラナ州クリチーバ大都市圏アラウカーリアのイサム・フセイン・デハイニ氏(65)だ。26日付G1サイト(2)によると、同氏は6回の婚姻歴があり、子供が16人いる。最初の婚姻は1980年だったという。
ホテルやガソリンスタンドの経営にも携わる企業家で、2020年に選挙高裁に届け出た資産の総額は1400万レアルに上る。
連邦下院の報告書によると、2000年に開催された麻薬密売に関する議会調査委員会(CPI)で事情聴取を受け、麻薬密売とは無縁で無実だと宣言したが、逮捕されている。
2020年の選挙時に選挙高裁に申告した資産1400万レアルの内、約300万レアルは現金と申告していた。所属政党は政治家として活動し始めた当初からシダダニアとしているが、今回の報道後、シダダニアを離党する手続きをとった。
アラウカーリア市の市長選に初めて出馬したのは2012年で、この時は落選したが、2016年の選挙では有効票の52・49%(3万7206票)を得て当選。2020年は68・49%にあたる4万7613票を得て再選された。
2000年に下院のCPIで麻薬密売について事情聴取を受けた時は、アラウカーリア市やクリチーバ大都市圏での麻薬の精製所の管理と密売者保護、密売者保護のための警官への支払いなどを疑われていた。
報告書によると、CPIのメンバーはパラナ州に3回出向き、クリチーバ市とフォス・ド・イグアス市、ポンタ・グロッサ市で公聴会と調査を行っており、デハイニ氏はクリチーバ市で調査に応じた。同氏は当時、10年余りで500万レアルの資産を得たことについて訊かれ、ホテル業や燃料販売、エアタクシーの運営で得たものと説明していたという。
2020年に申告した資産には現金の他、ヘリコプターや高級車、時価各100万レアル超のアパート3軒も含まれていた。2016年の申告額は630万レアル、2012年は140万レアルだった。学歴は12年の申告時が中卒、20年は高卒となっている。
なお、25日付G1サイト(3)は、市役所などの情報を基に26日に更新され、当初、婚姻成立とされた12日は登記所が婚姻可能と判断した日で、登記所での婚姻は4月15日と修正された。義母を文化観光局長に指名したのは13日、官報掲載は14日となっているが、縁故採用が疑われたことを受け、1日付で市役所の事務局長に任命された義母の姉妹と合わせ26日付官報を通して正式に解任された。
同市では、市長の娘や前妻の縁故採用も起きていることが判明し、物議を醸している。