労働者の日=高利子批判や労働者への約束=ルーラが恒例の労組での演説=ボルソナロは農業イベント参加

1日のルーラ大統領(Jaelcio Santata)
1日のルーラ大統領(Jaelcio Santata)

 「労働者の日」(メーデー)で祝日だった1日、ルーラ大統領(労働者党・PT)はサンパウロ市アニャンガバウーでの労働組合の集会に参加。高金利への批判や労働者たちへの約束の宣言を行った。一方、ボルソナロ前大統領(自由党・PL)はタルシジオ・デ・フレイタス聖州知事(共和者・RP)と共に農業イベント「アグリショー」に参加し、話題を呼んだ。1日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
 サンパウロ市中央部アニャンガバウーでの集会は毎年恒例で、今年も中央労組(CUT)や土地なし農民運動(農地占拠運動、MST)の帽子やシャツを着た組合員が多く詰め掛けた。
 ルーラ氏は「君たちが私に4年間を与え、今、ちょうど4カ月が経った」と言って参加者に感謝を示しながら演説を行った。
 大統領は「利子がインフレを抑えるような国には我々は住んでいない」と発言し、中央銀行が13・75%で据え置いている経済基本金利(Selic)を批判。「それが失業率の高さを維持するのが今のこの国の現実なのだ」と語った。
 この日のルーラ大統領は参加者に対し、幾つかの約束を行った。一つはギグワーカー(ウーバー運転手などのアプリ労働者)に対する法の整備だ。「労働手帳にサインをしないのはまだしも、アプリ労働者に最低限の社会保障を施さなくてはならない」とルーラ氏は語っている。
 大統領はさらに、企業利益還元分配(PLR)の免除を「2024年には達成させたい」と抱負を語った。これはCUTが連邦政府に対して行っていた提案でもある。
 また、4月30日に出した暫定令により、5月からは最低給与を1320レアルに引き上げ、最低賃金の2倍(2640レアル)までは所得税を来年申告分から免税とすることなども改めて強調している。
 一方、ボルソナロ前大統領は同日、サンパウロ州リベイロン・プレットで始まった国内最大の農業イベント「アグリショー」に参加した。
 同ショーは連邦政府の要人が参加するのが通例だが、今年はカルロス・ファヴァロ農相への招待状を含めて開会式自体が直前にキャンセルされ、これに連邦政府が不快感を示した。また、ブラジル銀行は同イベントのスポンサーから降りることを開催直前に公言。ただし、農業融資などの商談を取りまとめるためのブースだけは出すことにした。
 サンパウロ州の農業関係者はボルソナロ氏の岩盤支持層として知られており、ブラジル復帰アピールの舞台として選ばれたようだ。当日はタルシジオ・サンパウロ州知事と共に壇上に立ち、演説を行った。
 壇上でのボルソナロ氏は、連邦政府の進める先住民居住区の再編成を批判。タルシジオ氏も農地への不法侵入を厳しく批判。農場主などが多い会場から拍手と歓声を浴びた。
 ボルソナロ氏はこの場でも今後の具体的な政治活動については語らなかったが、2024年の市長選に出馬する意思はないことは語った。フォーリャ紙によると、ボルソナロ氏は、昨年の大統領選で自身に多く投票した小規模の自治体での市長選挙にできるだけ協力したいと考えているという。

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