聖州リベイロン・ピーレス市と同市日伯文化協会(沢田エベテ実行委員長、宮崎アルリンド会長)による「第28回虚子忌全伯俳句大会」が21日、同文協会館で4年ぶりに行われた。25人が参加し、1位には広瀬芳山さん(ほうざん、80歳、神奈川県)が選ばれた。
今大会の兼題は「虚子忌」「秋の水」「新豆腐」など秋一切。5句投句、5句選。特別選者は小斉棹子さん(87、北海道)、吉田しのぶさん(88、広島県)、広瀬芳山さんが務めた。
順位は特別選者選と互選の総合得点から決められた。
大会に先立ち、リベイロン・ピーレス市役日本庭園にある高浜虚子の句碑「三日月の匂やかにして情あり」に献花が行われた。開会式では先亡者へ黙祷が捧げられ、宮崎会長が「寒い中、お越しいただきありがとうございます。今日の大会を存分に楽しみましょう」と挨拶した。
午前中は全員が投句を回し読んで互選を行い、昼食休憩を挟んで、午後に選句発表が行われた。披講士が選句を読み上げ、句の作者が名乗りを上げると、会場からは拍手が贈られた。
1~5位の受賞者には記念品が贈られた。同大会で初の1位獲得という広瀬さんは「まさか1位を取れるとは思っていませんでした。今までの思いが結果に表れたのだと思います」と喜びを語った。
順位、特別選者の特選、次点受賞句は次の通り(敬称略)。
1位広瀬芳山さん17点、2位西森ゆりえさん11点、3位山城みどりさん10点、4位畠山てるえさん9点、5位タイ西谷律子さん、吉田しのぶさん9点(4位と5位は同点だが、てるえさんの俳句が特選に選ばれたので4位)
【小斎棹子選】特選「思い出す野良の帰りの虫時雨」(畠山てるえ)、次点「歳時記の名句しみじみ虚子忌かな」(田中みち子)
【吉田しのぶ選】特選「碑(いしぶみ)は永久(とこしえ)ならん虚子祀る」(西森ゆりえ)、次点「マフラーの父の残り香冬支度」(大野一歩)
【広瀬芳山選】特選「句碑園はみな整ひて虚子忌待つ」(山城みどり)、次点「新豆腐箸に掬われ笑みとなり」(宮川みや)