【既報関連】6日に行われたチャールズ3世の戴冠式に参加するために英国を訪問中だったルーラ大統領は5日、同国のスナク首相と首脳会談を行い、アマゾン基金への投資を約束された他、チャールズ3世とも面会を果たした。また、現在、英国で拘束中のジャーナリスト、ジュリアン・アサンジ氏の長期拘束を批判し、釈放を求める発言も行っている。5日付G1サイト(1)などが報じている。
ルーラ大統領は現地時間の5日午後4時頃、ロンドンのダウニング街にある首相官邸でスナク首相と会談を行った。
大統領は会談後に、「商業や環境保護、世界平和についての良い話し合いができた」と明かした。
とりわけ話が進んだと見られているのは環境問題で、この会談の後、英国政府はアマゾン財団に対して5億レアルに及ぶ資金援助を行うことを明かした。スナク首相はこの発表に際し、「サッカーなどを含め、我々とブラジルは似た者同士だ。この機会にアマゾン基金への投資を発表できて嬉しい」と語っている。
アマゾン基金への支援国はドイツとノルウェーで、今年に入ってからは米国に次ぐ参加支援表明となる。先の2カ国はボルソナロ前大統領の政権時に森林伐採や森林火災が増加したことで支援を打ち切ったが、ルーラ政権に入ってから、投資を再開している。ルーラ大統領は2030年までの森林伐採ゼロを目標に掲げている。
ルーラ大統領はスナク首相との会談後、ジャンジャ夫人と共にバッキンガム宮殿での晩餐会に参加。チャールズ3世はそこでルーラ夫妻に直々に挨拶をしており、ルーラ氏が「アマゾンを守るよう頼まれた」と語った。また、晩餐会ではドイツ、イスラエル、アイルランド、韓国をはじめ、多くの国の首脳たちと語らったと話している。
6日、ルーラ大統領夫妻は現地時間の午前11時(ブラジリア時間午前7時)から行われたチャールズ3世の戴冠式に参加。大統領夫妻は式の間、フランスのマクロン大統領の隣に座っていた。
戴冠式後の会見で、ルーラ大統領は現在ロンドンで収監されているジャーナリスト、ジュリアン・アサンジ氏の釈放を求めた。ウィキリークス主催者のアサンジ氏は、米国の国家機密を漏洩したなど、18の嫌疑で米国政府から訴えられている。
大統領は、「国の犯罪を暴いた人物が終身刑の危機にさらされようとしているのははずべきことだ」と語っている。ルーラ氏は、アサンジ氏が2019年に英国のエクアドル領事館に逃げ込んでいたところを逮捕された際も、批判声明を出している。
だが、ルーラ氏は「英国に来たのはそれを主張するのが目的ではない」とし、スナク首相との会談では「そのことを忘れていた」とも語っている。
また、イギリス滞在中に、下院で基礎衛生に関する枠組みに対する大統領令の一部が却下されたことで、連邦政府によるアルチクラソン(政局調整)担当者の交代を求める声が上がっていたが、アレッシャンドレ・パジーリャ渉外室長官を中心とする現体制を変える意思はないことを明らかにしている。