サンパウロ州海岸部グアルジャーで、窃盗犯と誤解されてリンチを受けた男性に脳死が宣言される事件が発生した。7日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
リンチが起きたのは今月2日で、同市のヴィセンテ・デ・カルヴァーリョ地区をバイクで走行中だったオジル・ヴィセンテ・ゲデスさん(49)が、住民の一人が「泥棒を捕まえろ」と叫んだことで、複数の住民に取り囲まれ、殴る蹴るの暴行を受けた。
暴行者の中には角材やヘルメットを持って頭を叩きつける人もおり、地面に投げつけられたりもした。この時の模様は通りすがりの運転手によって録画され、拡散もされた。
このリンチの後、オジルさんは市内の病院に運ばれ、入院していたが、6日に脳死が確認された。
だが、その後、このバイクの持ち主であるジョゼ・アレッシャンドレ・デ・フレイタスさん(55)が、リンチが起こったその日にバイクをオジルさんに貸していたことが判明。窃盗が事実無根であることが明らかになった。知人らの話によると、オジルさんは騒動に巻き込まれるようなことをする人物ではなかったという。
グアルジャーでは9年前にも、ネット上で「黒魔術を子供たちにかけている」との虚報で疑惑の対象になった女性がリンチを受けて亡くなっている。