パラー州カスタニャール市を拠点に胡椒や高級木材マホガニーの生産販売業を行った実業家の故岡島博(おかじま・ひろし)氏の伝記『岡島博 アマゾンのサムライ』(ウーゴ・ルイス・デ・ソウザ著、櫛田レチーシア緑訳)が昨年9月に刊行された。
同書では岡島さんの起業家精神についてや同氏がこれまで行ってきた事業、受賞歴を紹介。妻や息子たちが書いた手紙なども掲載されている。
岡島氏は1954年、12歳の時に家族とともに「あめりか丸」で渡伯。パラー州サンタイザベルの大橋耕地に入植した。その後、南伯農協組合員としてメロンやパパイヤの栽培にも着手し、アマゾン地域の振興に貢献したほか、サンパウロ州へも大量に出荷した。
岡島農商事有限会社代表取締役を務める傍ら、植林事業も行った。北伯群馬県人会会長時代に、アマゾンの環境保全の拠点として540ヘクタールの原生林「群馬の森」をベレン市近郊に創設して運営・管理した。
今年の2月5日呼吸不全のため亡くなった。
著者のウーゴ・ルイス・デ・ソウザ氏は1歳の時にカスタニャール市へ移住。現在は社会福祉士、作家として活動し、同市アカデミー会長も務めている。