音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の初代ボーカルで日本人アーティストのコムアイさんが南米アマゾンの先住民集落で出産し、その様子を父親である映画監督で文化人類学者の太田光海氏がドキュメンタリー作品にするという計画が発表され、一部で波紋を呼んでいる。
ヤフーニュースのフラッシュ誌記事6日付《コムアイ「アマゾンで出産」宣言に専門医「日本での出産を勧めます」母子ともにリスクある選択に「出産をなめてる」猛批判》(1)によれば、《「インタビューによると、コムアイさんは、父親の存在を軽視しがちな日本の産婦人科医に違和感があり、自然分娩にも以前から興味があったそうです。《昔ながらの方法のほうが、私が理想としている出産に近い》と語っています。そこで、太田さんの友人がいる、アマゾンの熱帯林で暮らすワンピス族の村で出産することを選んだそうです」》とある。
父親で映画監督の太田氏は、英国マンチェスター大学グラナダ映像人類学センターに在籍中、エクアドルのアマゾン熱帯雨林に住むシュアール族の村に約1年間にわたり滞在し、その成果を映像作品にまとめて博士号を取得した。その初監督作『カナルタ 螺旋状の夢』が2021年公開された。その縁で先住民集落に友人がおり、そこで出産風景を作品にすることになったようだ。
この作品制作資金を集めるためのネット募金サイト(2)によれば、5月中旬〜7月末に南米でのコムアイさんの軌跡を撮影。7月末の出産をもってメインパートの撮影を終了。8月〜9月末はコムアイさんと新生児の様子をみながら追加撮影、編集プランを立てる。10月〜12月に編集、24年1月〜2月に映画完成、海外映画祭でワールドプレミア。
同フラッシュ記事へのコメント欄では、産婦人科専門医/医学博士の稲葉可奈子さんが《日本での出産が世界最高レベルに安全で、妊産婦死亡率は、日本が10万人あたり5人、アマゾンの60%を占めるブラジルは60人で、国平均でも12倍死亡リスクがあり、しかもブラジルの都市部とアマゾンとでも医療環境は異なるでしょう》と前置きし、《安全なお産を祈念しますが、やはりアマゾンでも大丈夫、という話ではない》と締めくくった。このコメントに10日11時時点で6906人が「参考になった」とクリックした。
(1)https://news.yahoo.co.jp/articles/ad7215d6849f45181a08ddf519622c3d71d0a6c9